L5神経根障害の所見として誤っているのはどれか。
正答:2
正答:2
アキレス腱反射はS1が担当するので、L5神経根障害では消失しない。誤りを選ぶ設問なので正答は2。
L5神経根の担当(感覚・筋力・腱反射)を、S1と混同せずに言えるか。
神経根はそれぞれ担当する感覚領域・筋・腱反射が決まっている。L5が担当するのは、感覚では下腿外側から足背、筋力では足関節の背屈(前脛骨筋)と母趾の背屈(長母趾伸筋)である。腱反射については、L5に対応する反射は日常の診察では取らないため、L5単独の障害では膝蓋腱反射もアキレス腱反射も変化しないのが原則になる。アキレス腱反射はS1が反射弓をつくるので、これが消失していればS1の障害を示す。したがって「アキレス腱反射消失」がL5神経根障害の所見として誤り。下肢伸展挙上(SLR)テストは坐骨神経とその根を伸ばす検査で、L5・S1のいずれの障害でも陽性になるため、L5障害の所見として矛盾しない。
L5とS1は隣り合っていて、下肢伸展挙上テストはどちらでも陽性になる。分かれ目は腱反射と、母趾を動かす向き。アキレス腱反射が消えるのはS1だけ。母趾の背屈ができないのがL5、底屈ができないのがS1。腱反射は高位を一つに決められるので最優先で読む。
腰仙部の神経根と所見の対応は、L4=膝蓋腱反射・前脛骨筋・下腿内側、L5=足関節と母趾の背屈・下腿外側から足背、S1=アキレス腱反射・母趾の底屈・足底外側。腰椎椎間板ヘルニアはL4/L5とL5/S1の椎間で多く、後外側へ脱出して下位の神経根を圧迫する。膀胱直腸障害や進行する麻痺があれば手術適応なので、鍼灸で経過を見てはならない。
1つの神経根の所見を並べ、隣の高位の所見を1つだけ混ぜる。解法は、(1) 誤りを選ぶ設問だと確認、(2) その高位の感覚・筋・腱反射を書き出す、(3) 一致しないものを選ぶ。
アキレス腱反射はS1の担当なので、L5神経根障害では消失しない。足背の知覚障害・足関節背屈筋力低下・下肢伸展挙上テスト陽性はいずれもL5障害で矛盾しない所見。腱反射で高位を決める。