脊髄損傷で下肢に比べて上肢の障害が重度なのはどれか。
正答:2
正答:2
頸髄の中心が傷むと、内側を通る腕への線維が先にやられる。正答は2。
脊髄の断面のどこが傷むかから、症状の出方を導けるか。
脊髄の中を下りる運動の線維は、体のどの部分へ向かうかによって断面上の並びが決まっており、腕へ向かうものが内側、脚へ向かうものが外側を通る。頸髄の中心付近が傷むと、内側の腕へ向かう線維が先に巻き込まれるため、脚より腕の障害が重くなる。高齢者が転んで首を強く反らしたときに、骨折がなくてもこの型の損傷が起こる。したがって記述2が正しい。誤肢は障害の分布が違う。全体が断たれる型では腕も脚も同程度に障害され、前方の血管が詰まる型では触れた感覚と位置の感覚が残り、片側だけが傷む型では同じ側の運動と反対側の痛みと温度の感覚が障害される。
型の名前だけを覚えると、症状の分布が結び付かない。断面の絵を思い出し、どこが傷むとどの線維が巻き込まれるかで考えると、名前を忘れても導ける。中心の型は、骨折が写らないため見落とされやすい点も要点である。
講義では、脊髄損傷を受けた直後から数週間は脊髄ショックと呼ばれる時期があり、この間は損傷の高さより下が緩んだ麻痺を示し、感覚も失われ、尿も出なくなると説明される。そこから次第に硬さを伴う麻痺へ移っていく。完全に断たれる型のほかに特殊な型があり、中心付近が傷むもの、前方だけが傷むもの、片側だけが傷むものが挙げられる。感覚の障害は皮膚の分節に沿ってきれいに現れるので、どの高さで傷んだかを体表から読み取れる。膀胱の中枢は仙髄にあるため、それより上で傷むと反射で尿が出る形になり、定期的に導尿する習慣が必要になる。高齢者では、風呂場や近所の路上で転んで受傷することが多いのも特徴である。
損傷の型を4つ並べ、分布で選ばせる。解法は、(1) 断面のどこが傷むかを型ごとに書く、(2) 巻き込まれる線維を決める、(3) 設問の分布と合うものを選ぶ。
上肢の障害が下肢より重いのは中心性頸髄損傷。運動の線維は上肢が内側を通るため、中心が傷むと上肢が先にやられる。横断型は一様、前脊髄動脈症候群は触覚温存、ブラウンセカール症候群は左右差。