「45歳の男性。長時間の座位により右下肢痛が生じるようになったため整形外科を受診し、腰椎椎間板ヘルニアと診断された。右の片脚立ちで踵の挙上ができなかった。」早期に手術治療を要する病態はどれか。
正答:1
正答:1
尿が出せなくなったら、神経の束が強く押されている合図。手術を待てない。正答は1。
保存的に様子を見てよい症状と、急いで手術に回す症状を分けられるか。
腰の下のほうで脊髄は終わり、そこから先は細い神経が束になって下りている。この束が飛び出した椎間板に強く押されると、下肢の症状に加えて、膀胱と直腸を動かす神経、そして股のあたりの感覚が失われる。尿が出せない、便が漏れる、股のあたりの感覚がなくなるといった症状はこの状態を示し、時間が経つほど回復が悪くなるので、緊急に手術で圧迫を取り除く。したがって選ぶのは尿が出せなくなる症状である。誤肢はいずれも神経の根が1本押されたときによくみられる症状で、薬や安静で多くが軽くなり、様子を見ながら治療できる。
腰の疾患では、痛みの強さと緊急度は一致しない。激しく痛んでも待てる場合があり、痛みが軽くても尿が出せなければ待てない。分ける基準は、押されているのが神経の根1本か、束全体かにある。束が押されると膀胱・直腸・股のあたりという、左右にまたがる症状が出る。
束全体が押された状態は、腰の椎間板が大きく後ろへ飛び出したときのほか、腫瘍、血腫、外傷でも起こる。尿が出せない、股のあたりの感覚がない、両側の下肢に力が入らないという症状がそろえば、直ちに医療機関へ送る。この判断は施術所でも求められるので、腰痛を訴える人には排尿の状態を必ず聞く。手術が遅れると、排尿と性機能の障害が残る。
同じ疾患の症状を4つ並べ、緊急度が違うものを1つだけ置く。解法は、(1) 押されているのが根1本か束全体かを分ける基準を持つ、(2) 左右にまたがる症状と、片側だけの症状を分ける、(3) 時間が結果を左右する症状を選ぶ。
尿が出せなくなったら神経の束が強く押されている合図で、早期の手術が要る。ふくらはぎのしびれ、こむら返り、アキレス腱反射の消失は、いずれも根1本の症状で保存的に治療できる。