「18歳の男性。背が高く痩せている。突然、右胸の痛みと息切れを感じた。」血圧が下がり息切れが増した。最も適切な対応はどれか。
正答:4
正答:4
空気が漏れ続けて胸の中の圧が上がり、心臓へ戻る血が妨げられている。管を入れて空気を抜く。正答は4。
症状が悪化した理由を圧の変化として読み、それを解く手立てを選べるか。
肺から漏れた空気が胸の中に溜まり続けると、その側の圧が上がって肺がさらに縮み、心臓と太い静脈が反対側へ押しやられる。すると心臓へ戻る血の量が減り、血圧が下がって息切れが強まる。この状態は放置すれば短時間で命に関わるので、胸に管を入れて溜まった空気を外へ逃がし、圧を下げる。したがって選ぶのは胸腔ドレナージである。誤肢はいずれも圧を下げない。様子を見れば悪化する。痛み止めは痛みを和らげるだけで空気は抜けない。点滴は血管の中の量を増やすが、心臓へ戻る道が押されている原因そのものは残る。
血圧が下がったと聞くと、反射的に点滴を選びたくなる。しかしここで血圧が下がっているのは、血が足りないからではなく、心臓へ戻る道が塞がれているからである。原因が「量」なのか「通り道」なのかを分けると、手立てが決まる。原因を取り除かないかぎり、量を足しても追いつかない。
胸の中の圧が上がり続ける状態では、患側の呼吸音が消え、首の静脈が浮き上がり、気管が反対側へ寄る。診断を待たずに太い針を刺して空気を抜くこともある。処置のあとは管をつないで持続的に空気を抜き、漏れが止まるのを待つ。再発を繰り返す場合は手術で原因の袋を切除する。施術所で気胸の既往がある人を扱うときは、急な胸痛と息切れが再発の合図であると本人に伝えておく。
悪化した状況を示し、一般的には正しい対応を誤肢に置く。解法は、(1) なぜ悪化したのかを圧や流れの言葉で説明する、(2) その原因を直接取り除く手立てを探す、(3) 症状だけを和らげるものを除く。
血圧が下がり息切れが増したのは、溜まった空気で胸の中の圧が上がり、心臓へ戻る血が妨げられたため。管を入れて空気を抜く。経過観察は悪化させ、鎮痛剤も点滴も原因を取り除かない。