未病の概念について適切なのはどれか。
正答:4
正答:4
東洋医学の基本概念のうち「未病」が何を前提にした考え方かを問う。未病は、健康と疾病を切れ目のない連続体とみて、病気に向かいつつある途中の状態を早くとらえて手を打つ考え方。正答は4。
整体観(人体と自然の相応、人体は有機体)、心身一如(心と体は一体)、未病という4つの基本概念を区別し、「未病」がどの前提に立つかを言えるか。
東洋医学では、健康と疾病をオンとオフの二値ではなく、健康から疾病へ徐々に移っていく連続した過程ととらえる。その途中、自覚症状は乏しいが正気が弱り始め、邪気が入り込みやすくなっている段階を未病と呼び、ここで予兆をとらえて先回りして治療するのが「未病を治す(治未病)」である。たとえば腰痛の前触れとして足の冷えが出ていれば、腰痛が形になる前に腰を整えておく、発病してしまった場合でも重くならないよう、伝変する先の臓腑を先に守る、という発想がこれにあたる。したがって未病の概念の前提は「健康と疾病は連続している」こと。1と3は人体を自然と相応する有機的な全体とみる整体観、2は心身一如で、いずれも東洋医学の基本概念ではあるが未病の定義そのものではない。
4つとも東洋医学の「正しい考え方」なので、どれも否定しにくい。問われているのは正しいかどうかではなく「未病の概念」の中身。未病=まだ病気になっていない状態、と覚えていると「健康と疾病が連続」という言い方に結びつかないので、未病を「健康から疾病へ向かう途中の段階」と定義し直しておく。
『素問』四気調神大論の「聖人は已病を治さずして未病を治す」が出典。未病治には、発病前の予防と、発病後に伝変を防ぐ「既病防変」の両面がある。後者の代表が肝の病を見たら先に脾を実しておくという考え方で、五行の相剋関係に基づいて次に傷られる臓を先に守る。鍼灸臨床では食欲不振や倦怠感など自覚症状が軽い段階を未病として積極的に扱う。
正しい文を4つ並べ、定義の対応だけで選ばせる形。解法は、(1) 設問の語(未病)の定義を先に言語化する、(2) 整体観・心身一如の文を消す、(3) 残った連続性の文を選ぶ。
東洋医学の基本概念には、人体と自然が相応し人体が有機的な全体として働くという整体観、心と体を分けない心身一如、そして未病の考え方がある。未病は健康と疾病を連続した過程とみて、病気が形になる前の段階で予兆をとらえて治療する考え方で、発病後は次に傷られる臓腑を先に守る既病防変も含む。設問が「未病の概念」を問うなら、答えは健康と疾病の連続性。