経脈の流注の方向に沿った斜刺で深刺をした場合、肺を損傷するリスクが最も高い募穴はどれか。
正答:4
正答:4
胆経は日月のあたりで上から下へ向かう。その向きの斜刺は胸腔へ入る。正答は4。
募穴の高さだけでなく、その経脈の流注の向きまで含めて危険度を判断できるか。
設問は流注の方向に沿った斜刺と条件を付けている。胆の募穴である日月は前胸部の第7肋間にあり、胆経の流注は大鎖骨上窩から腋窩に下って季肋部を下るので、この付近では上から下へ向かう。その向きに沿って斜刺し深く入れれば、肋間を通って胸腔に達する。したがって記述4が最もリスクが高い。誤肢は流注の向きが肺から離れるか、肺の高さより下にある。肺の募穴である中府は第1肋間にあるが、肺経の流注はここから腋窩へ向かうので、その向きの斜刺は肺から遠ざかる。脾の募穴と腎の募穴は第11・第12肋骨端下縁で、肺の高さより下にある。
部位の高さだけで見ると、肺尖に近い中府が最も危なく見える。しかし設問は流注の方向に沿った斜刺と限定しており、向きが加わると答えが変わる。肺経は中府から腋窩へ外へ向かうのに対し、胆経は日月のあたりで胸壁を下へ向かう。条件の一文を読み落とさない。
足の少陽胆経は外眼角に起こり、頭側部から大鎖骨上窩に入り、胸中に至って横隔膜を貫き、肝を絡い胆に属する。さらに側腹部をめぐって鼠径部に出る。大鎖骨上窩より腋窩に下り季肋部を下る支脈もあり、日月はこの流れの上にある。教科書は胸背部の経穴の刺鍼には気胸を起こさないよう注意を要すると記している。
募穴を4つ並べ、高さだけで選ばせようとしたうえで流注の向きという条件を加える。解法は、(1) 各募穴の高さを確認、(2) その経脈の流注の向きを書く、(3) 向きが胸腔へ入るものを選ぶ。
流注の方向に沿った斜刺で肺を損傷するリスクが最も高い募穴は日月。第7肋間で胆経が下向きに進むため、その向きの斜刺は胸腔へ入る。