次の文で示す症例で運動療法の対象となる筋の疲労緩和を目的に腹臥位で施術を行う場合、局所治療穴として最も適切なのはどれか。「62歳の女性。主訴は膝関節痛。内反膝と大腿前面の筋萎縮がみられたため、患者にパテラセッティングを行わせた。」
正答:3
正答:3
パテラセッティングで働くのは大腿四頭筋。腹臥位で届く大腿四頭筋の穴は、大腿外側で外側広筋の上にある風市。正答は3。
運動療法の対象筋を特定し、指定された体位(腹臥位)で刺鍼できる位置にある穴を選べるか。体位の制約が効く。
パテラセッティングは、膝を伸ばしたまま大腿四頭筋に力を入れて膝蓋骨を引き上げる等尺性の運動で、変形性膝関節症で萎縮した大腿四頭筋を鍛える。したがって疲労緩和の対象は大腿四頭筋。ただし施術は腹臥位で行うので、大腿前面の穴は使えない。大腿四頭筋のうち外側広筋は大腿の外側面にあり、風市はここに位置する。風市は大腿部外側、直立して腕を下垂し手掌を大腿部に付けたとき中指の先端があたる腸脛靱帯の後方陥凹部にあり、解剖は腸脛靱帯・大腿二頭筋・外側広筋。腹臥位でも側方から届く。委中は膝窩横紋の中点で膝の後面、承扶は殿溝の中点で大殿筋と大腿二頭筋長頭、膝陽関は膝外側の大腿二頭筋腱と腸脛靱帯の間で、いずれも大腿四頭筋の上ではない。
大腿四頭筋というと大腿前面の穴(伏兎・陰市・梁丘)を思い浮かべるが、腹臥位という条件でそれらが使えない。外側広筋が大腿の外側面にあることを知っていれば風市に届く。体位の指定は選択肢を絞るために置かれている。
大腿四頭筋は大腿直筋・外側広筋・中間広筋・内側広筋の4つ。このうち大腿直筋だけが二関節筋で股関節もまたぐ。外側広筋は大腿骨粗線外側唇から起こり大腿の外側面を占める。変形性膝関節症では内側広筋の萎縮が目立つことが多く、パテラセッティングや脚上げ運動で鍛える。局所治療穴は犢鼻・内膝眼・鶴頂・血海・梁丘・陰陵泉など。
対象筋の主要部に届く穴を選択肢から外し、体位で残りを絞る。解法は、(1) 運動療法から対象筋を出す、(2) 指定された体位で届く面を決める、(3) その面で対象筋の上にある穴を選ぶ。
パテラセッティングで働くのは大腿四頭筋だが、施術は腹臥位なので大腿前面の穴は使えない。大腿四頭筋のうち外側広筋は大腿の外側面にあり、風市の解剖に含まれる。委中は膝窩、承扶は殿部で大殿筋と大腿二頭筋、膝陽関は膝外側の大腿二頭筋腱の領域で、いずれも対象筋ではない。