次の文で示す病証に対する十二刺として最も適切なのはどれか。「45歳の男性。仕事のストレスでのぼせ感が続く。最近はイライラして気持ちがたかぶり眠れない日が多くなっている。舌尖は紅、脈は数で有力を認める。」
正答:1
正答:1
のぼせ・いらだち・不眠に舌尖紅・脈数有力で、実熱が上に亢ぶった状態。深く直刺して素早く抜き熱を瀉すのが輸刺。正答は1。
十二刺のうち熱を瀉す刺法を選べるか。病証から虚実と熱の有無を決め、刺法の適応と結びつける。
仕事のストレスでのぼせが続き、いらだちと不眠が加わり、舌尖が紅く脈が数で有力。舌尖は心の部位なので心の熱、脈の有力は実を示すので実熱。十二刺のうち輸刺は、深く直刺してすばやく抜く方法で、盛んな気や熱を瀉す目的に用いられる。陰刺は左右一対の穴に刺す方法で寒厥に用いるので、冷えが適応で本例とは逆。斉刺は狭くやや深い痺に中心と両側の3本を刺す方法、揚刺は範囲の広い痺に中心と四隅の5本を浅く刺す方法で、いずれも局所の痺証に対する刺法であって全身の熱には向かない。
斉刺と揚刺はどちらも痺証(局所の痛みやしびれ)に用いる刺法なので、全身の熱を扱う本例では両方消せる。陰刺は寒厥という寒の病態が適応なので、熱の症例とは正反対。残る輸刺が熱を瀉す刺法。
十二刺:偶刺(前後から挟む・心痺)、報刺(痛む場所を追う)、恢刺(腱の周囲を刺す・筋痺)、斉刺(中心と両側の3本・狭く深い痺)、揚刺(中心と四隅の5本・広い痺)、直鍼刺(つまんで横刺・浅い寒気)、輸刺(深く直刺し素早く抜く・盛んな熱)、短刺(骨に近づけて刺す・骨痺)、浮刺(斜めに浅く刺す・筋の冷え)、陰刺(左右一対に刺す・寒厥)、傍鍼刺(直刺と傍刺の2本・慢性の痺)、賛刺(浅く速く多数刺して出血させる・癰腫)。刺法は名称・操作・適応の3つをセットで覚える。
十二刺を4つ並べ、寒の刺法と痺証の刺法を混ぜる。解法は、(1) 病証の虚実と寒熱を決める、(2) 各刺法の適応を出す、(3) 寒熱と病位(局所か全身か)が合うものを選ぶ。
のぼせ・いらだち・不眠に舌尖紅と脈数有力がそろうのは実熱。十二刺のうち熱を瀉すのは、深く直刺してすばやく抜く輸刺。陰刺は寒厥が適応で寒熱が逆、斉刺と揚刺はいずれも局所の痺証に対する刺法で、全身の熱には向かない。刺法は適応する病態とセットで覚える。