「50歳の男性。主訴は食欲不振。急な腹痛や嘔気があり、病院で胃の出血性びらんを指摘され、飲酒を控えるように言われた。口が苦く、舌質は紅、舌苔は厚膩、脈は滑数を認める。」治療方針として最も適切なのはどれか。
正答:2
正答:2
飲酒による胃の出血性びらんに、口が苦い・舌質紅・厚膩苔・脈滑数。熱と湿が同時にあるので湿熱を除く。正答は2。
舌苔と脈を1つずつ病機へ翻訳し、熱と湿の両方があることを読めるか。前問と同じ症例を東洋医学で捉え直す型。
舌質が紅いのは熱、舌苔が厚膩なのは湿の停滞、脈が滑なのは痰飲や食滞、数は熱。合わせると熱と湿が同時にある湿熱。口が苦いのは胆熱を示し、これも熱の側。飲酒は湿熱を生む代表的な原因で、胃の出血性びらんという西洋医学の所見とも矛盾しない。したがって治療方針は湿熱を除くこと。肝気を通すのは気滞で脹痛と脈弦があるとき、脾気を補うのは気虚で舌淡・脈弱のとき、胃陰を補うのは胃陰虚で舌紅少苔・脈細数のときで、いずれも厚膩苔と滑数脈という実の所見と合わない。
同じ舌質紅でも、苔が厚膩なら湿熱、苔が少ない・無いなら陰虚と正反対になる。第32回では問150が胃陰虚(無苔・脈細数)、問152が湿熱(厚膩苔・脈滑数)と、対になる形で出題されている。舌質と舌苔を分けて読むのが要点。
湿熱の証:身体が重だるい、口が粘る・苦い、食欲不振、悪心、尿が濃く量が少ない、便がすっきり出ない、舌紅・苔黄膩、脈滑数または濡数。生じる場所によって、脾胃湿熱・肝胆湿熱・膀胱湿熱・大腸湿熱と呼び分ける。誘因は飲酒、脂っこいもの・甘いもの・辛いものの過食、高温多湿の環境。治法は清熱利湿で、陰陵泉・豊隆・内庭・曲池などが用いられる。
同じ症例で虚証と実証の治法を並べ、舌苔で判定させる。解法は、(1) 舌質で寒熱、(2) 舌苔の厚さと膩で湿の有無、(3) 脈で虚実を確認、(4) 3つが指す病機に合う治法を選ぶ。
舌質が紅いのは熱、苔が厚膩なのは湿、脈が滑数なのは湿熱を示す。口が苦いのも熱の側で、飲酒という誘因も湿熱を生む。したがって方針は湿熱を除くこと。肝気を通すのは気滞、脾気を補うのは気虚、胃陰を補うのは陰虚で、いずれも厚膩苔・滑数脈という実の所見と合わない。舌質と舌苔は分けて読む。