「45歳の女性。職業は美容師。主訴は右上肢全体の持続的なだるさ。腱反射は正常。ライトテストは陽性。ジャクソンテスト、アドソンテストはともに陰性。」病態について最も適切なのはどれか。
正答:3
正答:3
ライトテストだけが陽性なので、腕を上げたときに小胸筋の下で挟まれる過外転症候群。美容師が髪をカットする姿勢がまさにその肢位。正答は3。
陽性のテストから圧迫の型を決め、その型を誘発する日常の姿勢を選べるか。職業の記述が手がかり。
胸郭出口症候群は圧迫される場所で3つに分かれる。ライトテストは肩を90度外転・外旋させて橈骨動脈の拍動が弱まるかをみる検査で、陽性なら腕を上げたときに烏口突起の下で小胸筋に圧迫される過外転(小胸筋)症候群。アドソンテストが陰性なので斜角筋症候群は除かれ、ジャクソンテストが陰性なので頸椎の神経根症も除かれる。美容師が髪をカットするときは腕を肩の高さより上に保つので、まさに過外転の姿勢が続く。血流障害は鎖骨下動脈が圧迫されるので生じうるし、進行すれば握力低下も出るため、1と2の断定は誤り。空を見上げる姿勢は頸を後屈させるもので、椎間孔を狭める頸椎症性神経根症の誘発肢位。
3つのテストの陰陽をすべて使う設問。陽性のライトテストが型を決め、陰性のアドソン・ジャクソンが他の可能性を消す。選択肢1と2は「〜はない」という断定なので、起こりうる以上は誤りになる。断定形の否定は疑ってかかる。
胸郭出口症候群の3型と誘発肢位:斜角筋症候群=アドソンテスト(頭部を患側へ回旋・伸展し深呼吸)、重い物を持つ・腕を下げ続ける。肋鎖症候群=エデンテスト(胸を張り肩を後下方へ)、リュックを背負う・気をつけの姿勢。過外転(小胸筋)症候群=ライトテスト(肩を90度外転外旋)、腕を上げ続ける作業(美容師・塗装・棚上げ)、腕を上げて寝る姿勢。局所治療穴は、斜角筋なら天鼎、肋鎖なら気戸、小胸筋なら中府・屋翳・胸郷。
断定形の否定を2つ置き、誘発肢位を2つ置く。解法は、(1) 陽性テストから型を決める、(2) 陰性テストで他を消す、(3) その型を誘発する肢位を選ぶ。断定形の否定は起こりうるかどうかで判定。
ライトテストだけが陽性なので、腕を上げたときに小胸筋の下で挟まれる過外転症候群。美容師が髪をカットする姿勢がこの肢位にあたる。鎖骨下動脈が圧迫されるので血流障害も握力低下も起こりうるため、1と2の断定は誤り。空を見上げるのは頸の後屈で、ジャクソンテスト陰性の本例とは合わない。