「45歳の女性。職業は美容師。主訴は右上肢全体の持続的なだるさ。腱反射は正常。ライトテストは陽性。ジャクソンテスト、アドソンテストはともに陰性。」罹患筋への局所治療を行う場合、適切な経穴はどれか。
正答:1
正答:1
圧迫しているのは小胸筋。中府は前胸部の鎖骨下窩にあり、小胸筋の起始側へ届く。正答は1。
前問で決めた型の罹患筋の上にある経穴を選べるか。誤肢は別の型に対応する穴や別の筋の穴。
過外転症候群で腕神経叢と血管を圧迫するのは小胸筋。小胸筋は第3〜第5肋骨から起こり烏口突起へ停止するので、前胸部の上方に位置する。中府は前胸部、烏口突起の内方で第1肋間の高さ、前正中線の外方6寸にあり、大胸筋・小胸筋の領域にあたるので局所治療穴になる。肩外兪は上背部の第1胸椎棘突起下縁の高さで解剖は僧帽筋と肩甲挙筋、巨骨は鎖骨の肩峰端と肩甲棘の間で肩の後上方、扶突は前頸部の胸鎖乳突筋中で斜角筋のあたり。いずれも小胸筋の上ではない。
胸郭出口症候群の3型それぞれに対応する穴を混ぜてある。斜角筋なら天鼎や扶突、肋鎖なら気戸、小胸筋なら中府・屋翳・胸郷。前問で型が決まっていれば一意に落ちる。中府は肺経の募穴でもあり、呼吸器の症状にも使われる。
小胸筋は第3〜第5肋骨の前面から起こり烏口突起に停止し、肩甲骨を前下方へ引く。内側・外側胸筋神経支配。この筋の下を腕神経叢と腋窩動静脈が通るので、腕を過度に外転すると烏口突起の下で圧迫される。前胸部の経穴では、中府(肺経の募穴、第1肋間の高さ・外方6寸)、雲門(鎖骨下窩、外方6寸)、屋翳(第2肋間・外方4寸)、胸郷(第3肋間・外方6寸)が小胸筋の領域に近い。中府と雲門は肺尖部に近いので刺鍼の深さに注意が要る。
3つの型それぞれの局所治療穴を並べる。解法は、(1) 前問で決めた型の罹患筋を確認、(2) 各経穴の部位と解剖を出す、(3) 罹患筋の上にある穴を選ぶ。
過外転症候群で圧迫しているのは小胸筋。中府は前胸部の上方、烏口突起の内方にあり小胸筋の領域なので局所治療穴になる。肩外兪は背部の僧帽筋・肩甲挙筋、巨骨は肩の後上方、扶突は前頸部で斜角筋のあたりで、いずれも小胸筋ではない。3型それぞれの穴を混同しないこと。