問164
鍼療法の禁忌はどれか。
この問題の分類段階1 暗記用語・数値・定義を確認する問題
正答:4
正答:4
深く速い呼吸を伴って意識がない状態は救急。鍼を打つ場面ではない。正答は4。
施術してよい状態と、直ちに医療へつなぐべき状態を分けられるか。
鍼の禁忌を判断する軸は、その症状の背後に緊急の対応を要する病態があるかどうかである。深く大きい呼吸が続きながら意識が障害されている状態は、体が酸性に傾いたときに現れる呼吸の型で、糖尿病が急激に悪化したときなどに見られる。直ちに医療機関へつなぐべき状態であり、鍼を行う場面ではない。したがって記述4が禁忌である。誤肢の3つは、いずれも症状を和らげる目的で鍼が用いられうる。抗がん剤に伴う吐き気、がんに伴う痛み、妊娠初期の吐き気は、支持的な手立てとして鍼が使われる場面がある。
がんや抗がん剤という言葉が並ぶと、そちらを禁忌に見てしまう。しかし禁忌かどうかは病名ではなく、いま緊急の対応が要るかどうかで決まる。意識が障害されているという記述があれば、それだけで施術の場面ではないと判断できる。
意識の障害を伴う状態のほか、出血が止まりにくい状態、重い感染症の急性期、施術部位に開いた傷や皮膚の病変があるとき、体内に電気を用いる機器が植え込まれているときの通電なども、施術を控えるか慎重に判断する場面である。判断に迷うときは、かかりつけの医師に施術の可否を確認する。
重そうな病名を3つ並べ、緊急の状態を1つ置く。解法は、(1) 病名ではなく状態を見る、(2) 意識・呼吸・出血の異常を探す、(3) 緊急のものを選ぶ。
禁忌はクスマウル呼吸を伴う意識障害。化学療法に伴う吐き気・悪性腫瘍に伴う痛み・つわりは、いずれも症状緩和の目的で鍼が用いられうる。