切皮時に一次痛が生じた。関与する侵害受容器はどれか。
正答:1
正答:1
切皮の瞬間の鋭い痛みは、強い機械的な力にだけ応じる受容器が拾う。正答は1。
痛みの2つの型を、受容器と神経線維の違いで説明できるか。
体の表面の痛みは、鋭く速い痛みと、鈍く遅い痛みに分かれる。前者は場所がはっきりした刺すような痛みで、強い機械的な力にだけ応じる受容器が拾い、細い有髄の線維で速く伝えられる。後者は場所がやや不明瞭な、鈍く疼く痛みで、機械・温度・化学の複数の刺激に応じる受容器が拾い、無髄の線維でゆっくり伝えられる。皮膚を切る瞬間の痛みは前者にあたるので、記述1が正しい。誤肢は担う感覚が違う。複数の刺激に応じる受容器は鈍い痛みとひびきに関わり、残る2つは触れる感覚を担う受容器である。
2つの痛みは、痛みの性質・受容器・線維の3点セットで覚えると混ざらない。鋭い痛みは強い機械刺激に応じる受容器と細い有髄線維、鈍い痛みは複数の刺激に応じる受容器と無髄線維である。触れる感覚の受容器を痛みの受容器と混同しないことも要点になる。
講義では、皮膚の自由な神経の終末が受容器にあたり、これが高閾値の侵害受容器やポリモーダル受容器と呼ばれると説明される。高閾値の侵害受容器は細い有髄の線維につながり、鋭い痛みを感じさせる。ポリモーダル受容器は無髄の線維につながり、鈍い痛みを担う。熱傷で皮膚の深いところまで傷んでしまうと、この自由な神経の終末そのものが焼けてしまうため、かえって痛みが和らぐ。赤みだけの浅い熱傷では強い痛みがあり、水ぶくれができる深さでも痛みが強いが、さらに深くなって皮膚の全層に及ぶと痛みが無くなる。痛みの強さが深さと単純に比例しない理由がここにある。灸で意図した以上の深さの熱傷を作ってしまうと、患者が痛みを訴えないまま組織が壊れていることになる。
受容器を4つ並べ、触覚の受容器を混ぜる。解法は、(1) 一次痛と二次痛の性質を書く、(2) それぞれの受容器と線維を対応させる、(3) 設問の痛みに合う受容器を選ぶ。
切皮時の一次痛に関与するのは高閾値機械受容器。ポリモーダル受容器は二次痛とひびき、メルケル盤と毛包受容器は触覚を担う。