頸部の筋について正しいのはどれか。
正答:3
正答:3
腕神経叢は前斜角筋と中斜角筋の間(斜角筋隙)を通って上肢へ向かう。正答は3。
頸部の筋の停止・神経支配と、斜角筋隙を通る構造を言えるか。
斜角筋は前斜角筋・中斜角筋・後斜角筋の3つがあり、頸椎の横突起から起こって肋骨に停止する。前斜角筋と中斜角筋はいずれも第1肋骨に停止し、その間にできる三角形の隙間を斜角筋隙という。ここを腕神経叢と鎖骨下動脈が通り抜けて上肢へ向かう。したがって記述3が正しい。鎖骨下静脈は前斜角筋の前を通るので、この隙間は通らない。誤肢は停止と神経支配の誤り。前斜角筋は鎖骨ではなく第1肋骨の斜角筋結節に停止する。広頸筋は表情筋の仲間で顔面神経(頸枝)の支配。後頭下筋群(大後頭直筋・小後頭直筋・上頭斜筋・下頭斜筋)は第1頸神経の後枝である後頭下神経に支配される。
斜角筋隙を通るのは腕神経叢と鎖骨下動脈で、鎖骨下静脈は通らない。この一点が胸郭出口症候群の症状の出方(神経性か血管性か)と結びつく。広頸筋は「頸」の字から頸神経支配と思いやすいが、皮下にある表情筋の仲間なので顔面神経。後頭下筋群は深層の姿勢筋で、後枝支配という原則どおり。
胸郭出口症候群は、腕神経叢と鎖骨下動静脈が圧迫される場所によって斜角筋症候群(斜角筋隙)・肋鎖症候群(肋鎖間隙)・小胸筋症候群(過外転症候群)に分けられる。誘発テストにはアドソンテスト、モーレイテスト、ライトテスト、エデンテスト、ルーステストがある。頸肋がある場合も原因になる。鍼灸では斜角筋・小胸筋の緊張緩和と姿勢指導が中心で、絞扼部位に応じて缺盆・天鼎・扶突などを用いる。
頸部の筋の停止・支配神経・通過構造を1肢ずつ並べ、隣接するものへずらす。解法は、(1) 筋の停止を確認、(2) 表層の表情筋か深層の固有背筋かで支配神経を決める、(3) 隙間を通る構造を血管と神経に分けて確認する。
腕神経叢は前斜角筋と中斜角筋の間の斜角筋隙を通る。前斜角筋の停止は鎖骨ではなく第1肋骨、広頸筋は頸神経ではなく顔面神経、後頭下筋群は第1頸神経の前枝ではなく後枝の支配。