問35
播種性血管内凝固症候群(DIC)について誤っているのはどれか。
この問題の分類段階2 理解正答の理由や選択肢の違いを整理する問題
正答:1
正答:1
全身で血栓が作られ続けるので、血小板は使い果たされて減る。正答は1。
全身で凝固が起こる病態から、検査値の動く向きを導けるか。
凝固を起こす物質が血管の中へ入り込むと、全身の細い血管に次々と血栓ができる。血栓を作るには血小板と凝固の因子が使われるため、これらは消費されて減っていく。その結果、詰まることによる臓器の障害と、止血ができなくなることによる出血が同時に起こる。したがって、血小板が増えるという記述1が誤りである。残る3つは正しい。出血の症状が見られること、敗血症が原因になること、細い血管に血栓ができることは、いずれもこの病態に当てはまる。
血が固まる病気なのに出血する、という一見矛盾した状態が要点である。固まる材料を使い果たしてしまうから止血ができなくなる、と押さえると腑に落ちる。検査では血小板が減り、凝固の時間が延び、線維素が分解された産物が増える。
原因となる状態には、羊水が母体の血中へ入ること、胎盤が早く剥がれること、悪性腫瘍、前骨髄球性の白血病、外傷、肺や前立腺の手術、血管内での溶血、敗血症、流産などが挙げられる。いずれも組織や細胞の壊死と破壊によって凝固を起こす物質が血中に増えることによる。感染症では、細菌の毒素によって凝固の因子が活性化され、血管の内皮が傷むことでも血栓ができるとされる。最も障害を受けやすい器官は腎臓で、腎不全に陥る。
病態の記述を4つ並べ、検査値の向きを逆にした肢を置く。解法は、(1) 全身で凝固が起こることを確認、(2) 材料が消費されると考える、(3) 増えると書かれた肢を選ぶ。
誤っているのは「血小板数は増加する」。血栓形成に使われて減る。出血症状、敗血症が原因になること、細小血管の血栓はいずれも正しい。