胃食道逆流症について正しいのはどれか。
正答:3
正答:3
胃酸に長くさらされると、食道下部の重層扁平上皮が胃と同じ円柱上皮に置き換わる。これがバレット食道。正答は3。
逆流が起こる仕組みと、慢性の逆流が粘膜にもたらす変化を言えるか。
食道の粘膜は重層扁平上皮で、酸に弱い。胃酸が繰り返し逆流すると、この上皮が酸に耐えられる円柱上皮に置き換わる。これが化生(メタプラジア)と呼ばれる変化で、食道下部に生じたものをバレット食道という。バレット食道は食道腺癌の発生母地になるため、経過観察の対象になる。したがって記述3が正しい。誤肢は3つとも向きが逆である。逆流が起こるのは食道下部の輪走筋(下部食道括約筋)が緊張するのではなく、一過性に緩むため。括約筋が緩むので、その部位の食道内圧は上昇ではなく低下する。体重が増えると腹圧が高まって逆流しやすくなるので、症状は改善ではなく悪化する。
化生は、ある分化した組織が別の分化した組織に置き換わる変化で、腫瘍ではない。しかし刺激が続くと異形成を経て癌化することがあるので、バレット食道は食道腺癌の危険因子になる。喫煙による気道の扁平上皮化生も同じ考え方で、慢性刺激→化生→癌化という道筋は病理学の基本の型である。
胃食道逆流症の主症状は胸やけと呑酸で、前かがみの姿勢、食後の臥位、就寝前の食事で悪化する。生活指導は、食べ過ぎない、就寝直前の食事を避ける、上体を少し高くして寝る、脂肪や香辛料・アルコール・カフェインを控える、腹部を締めつけない、減量する。薬物療法はプロトンポンプ阻害薬が中心。東洋医学的には肝胃不和や胃気上逆として捉えられ、中脘・内関・足三里・膻中などを用いる。
1疾患について、括約筋の状態・内圧・粘膜の変化・体重の影響を1肢ずつ並べ、3つを逆にする。解法は、(1) 逆流が起こる条件を考える、(2) 括約筋が緩めば内圧は下がると導く、(3) 慢性刺激による粘膜の変化を思い出す、(4) 腹圧の観点で体重の影響を判断する。
胃食道逆流症では食道下部の扁平上皮が円柱上皮化する(バレット食道)。輪走筋は緊張ではなく弛緩、食道内圧は上昇ではなく低下、体重増加で症状は改善ではなく悪化する。