アルツハイマー病の初期にみられるのはどれか。
正答:2
正答:2
アルツハイマー病は、新しいことを覚えられない記憶障害から始まる。正答は2。
認知症の型ごとに、初期に現れる症状を区別できるか。
アルツハイマー病では、記憶に関わる海馬から病変が始まるため、初期の症状は記憶障害である。とくに新しいことを覚えられない近時記憶の障害が目立ち、同じことを何度も聞く、約束を忘れる、置き忘れが増えるといった形で現れる。昔の記憶は比較的保たれる。したがって記述2が正しい。誤肢は他の疾患の初期症状である。幻視はレビー小体型認知症でよくみられ、実際にいない人や動物がはっきり見えると訴える。てんかん発作はアルツハイマー病の進行期に起こることはあるが初期の症状ではなく、初期に目立つのは他の疾患。反社会的行動(万引き、無遠慮な言動、身だしなみへの無関心)は前頭側頭型認知症で病初期からみられる人格の変化である。
認知症は「どこから始まるか」で初期症状が決まる。アルツハイマー病は海馬(記憶)、前頭側頭型は前頭葉(人格と行動)、レビー小体型は後頭葉を含む広い範囲(幻視)と運動系(パーキンソン症状)、血管性は梗塞の部位による。病変の始まる場所を思い出せば、初期症状は導ける。
アルツハイマー病ではアミロイドβ蛋白質が細胞外に蓄積して老人斑をつくり、リン酸化タウが細胞内に蓄積して神経原線維変化をつくる。MRIでは海馬と側頭葉内側の萎縮が特徴。レビー小体型認知症では、幻視に加えて認知機能の日内変動、パーキンソン症状、レム睡眠行動障害がみられ、抗精神病薬に過敏なので使用に注意を要する。介護では、記憶障害を責めず、環境を一定に保ち、できることを続けてもらうことが基本になる。
1疾患の初期症状を問い、他の認知症の特徴的症状を並べる。解法は、(1) 各認知症の病変が始まる部位を思い出す、(2) その部位の働きから初期症状を導く、(3) 進行期の症状と初期の症状を区別する。
アルツハイマー病の初期にみられるのは記憶障害。幻視はレビー小体型、反社会的行動は前頭側頭型、てんかん発作は初期症状ではない。病変が始まる部位から初期症状を導く。