炎症性腸疾患について正しいのはどれか。
正答:3
正答:3
クローン病も潰瘍性大腸炎も、食生活の欧米化を背景に日本で患者数が増えている。正答は3。
クローン病と潰瘍性大腸炎を、病変の分布と連続性で区別できるか。
炎症性腸疾患には潰瘍性大腸炎とクローン病がある。潰瘍性大腸炎は直腸から連続して口側へ広がる連続性の病変で、大腸に限局し、炎症は粘膜と粘膜下層にとどまる。クローン病は口から肛門までの全消化管のどこにでも生じ、病変と病変の間に正常な部分がはさまる非連続性(skip lesion)で、炎症は全層に及ぶ。両者とも日本では戦後に増え、食生活の欧米化(動物性脂肪・蛋白の増加)が背景として挙げられる。いずれも指定難病である。したがって記述3が正しい。誤肢のうち1と2は、両疾患の特徴を入れ替えたもの。大腸に限局するのは潰瘍性大腸炎、非連続性病変を示すのはクローン病である。赤沈やC反応性蛋白は炎症の程度を反映するので病勢の指標として用いられる。
選択肢1と2は、2つの疾患の特徴をきれいに入れ替えてある。潰瘍性大腸炎=大腸だけ・連続性・粘膜層、クローン病=全消化管・非連続性・全層、と3点セットで覚えると入れ替えに気づける。「クローン病は飛び飛び」という語呂で非連続性を思い出すのも有効。
潰瘍性大腸炎の主症状は粘血便と下痢、しぶり腹。クローン病は腹痛と下痢に加え、痔瘻や肛門周囲膿瘍などの肛門病変、狭窄や瘻孔をきたしやすい。栄養障害と成長障害も問題になる。どちらも寛解と再燃を繰り返し、長期の経過では大腸癌のリスクが上がる。鍼灸では活動期の強い刺激や腹部への深刺を避け、寛解期の全身状態の調整と随伴する疲労・不安への対応を行う。
2疾患をまとめて問い、特徴を入れ替える。解法は、(1) 病変の範囲(大腸だけか全消化管か)を確認、(2) 連続性か非連続性かを確認、(3) 炎症の深さを確認、(4) 検査所見が病勢を反映するかを判断する。
炎症性腸疾患は食生活の欧米化により患者数が増加した。大腸に限局するのはクローン病ではなく潰瘍性大腸炎、非連続性病変は潰瘍性大腸炎ではなくクローン病、赤沈は病勢を反映する。