小児で体前屈時に肋骨隆起を認めた場合、疑う疾患はどれか。
正答:1
正答:1
前屈させたときに背中の片側が盛り上がる(肋骨隆起)のは、脊柱が回旋を伴って曲がっている側弯症の所見。正答は1。
前屈テストで肋骨隆起が出る理由と、それが示す疾患を言えるか。
側弯症では、脊柱が左右に曲がるだけでなく椎体が回旋するため、肋骨が後方へ押し出される。立位では姿勢で目立たなくても、体を前へ曲げると左右の背面の高さの差が現れ、凸側の背部が盛り上がって見える。これが肋骨隆起で、前屈テスト(アダムス前屈テスト)として学校健診の側弯症スクリーニングに使われている。したがって疑う疾患は側弯症。誤肢は3つとも前屈で左右差の隆起を生じる病態ではない。肺腫瘍は胸郭の変形を主症状としない。鳩胸は胸骨が前方へ突出する胸郭の変形で、前屈時の左右差ではない。肋骨骨折は外傷歴と限局した圧痛・呼吸時痛が主で、隆起として現れるものではない。
側弯症を「横に曲がるだけ」と考えると肋骨隆起が結びつかない。側弯には必ず回旋が伴い、その回旋が肋骨を押し出す。だから前屈で見えるようになる。立位の見た目だけで判断せず、必ず前屈させて背面を後ろから見るという診察の型を覚える。
思春期特発性側弯症は成長期の女子に多く、成長が終わるまで進行しうるため、学校健診でのスクリーニングと経過観察が重要になる。カーブの角度(コブ角)で治療方針が決まり、軽度は経過観察、中等度は装具療法、高度は手術が検討される。臨床医学各論の出題基準では、側弯症・後弯症が「形態異常」として発育性股関節形成不全と並んで位置づけられている。鍼灸では変形そのものを矯正できないが、随伴する背部痛や筋の左右不均衡への対応と、装具装着に伴う不快感の緩和が対象になる。
1つの所見を示し、胸郭に関わる疾患を並べる。解法は、(1) その所見が現れる姿勢と部位を確認、(2) なぜその姿勢で現れるかを機序で説明する、(3) 他の疾患でその所見が出るかを検討する。
前屈時の肋骨隆起は側弯症の所見。椎体の回旋で肋骨が後方へ押し出されるために生じる。肺腫瘍・鳩胸・肋骨骨折はいずれもこの所見を説明しない。前屈させて背面を見るのが診察の型。