鉄欠乏性貧血の患者によくみられるのはどれか。
正答:1
正答:1
鉄が不足すると爪がもろくなり、中央がへこむスプーン状爪になる。正答は1。
貧血そのものの症状と、鉄という物質の欠乏による症状を区別できるか。
鉄欠乏性貧血の症状は2種類に分かれる。ひとつは貧血による症状で、顔色不良、息切れ、動悸、めまい、頭痛、易疲労感。もうひとつは鉄という物質が不足することによる症状で、爪の変形(スプーン状爪、匙状爪)、舌炎、嚥下障害が挙げられる。鉄は爪や粘膜の細胞の代謝にも必要なため、貧血が軽くても鉄が長く不足していれば爪や粘膜に変化が出る。したがって爪の変形が正しい。誤肢は他のビタミンや微量元素の欠乏による症状である。白髪は加齢によるものが主で、鉄欠乏に特有ではない。知覚鈍麻が出るのはビタミンB12か葉酸が欠乏したときの神経症状。味覚低下は亜鉛の欠乏で起こる。
貧血の症状はどの貧血でも共通なので、それだけでは種類を決められない。種類を決めるのは「その物質が足りないことによる症状」で、鉄ならスプーン状爪と舌炎、ビタミンB12なら神経症状(深部感覚障害、腱反射亢進)、亜鉛なら味覚低下。物質と症状を対で覚える。
鉄欠乏の主な原因は、摂取不足、吸収障害、慢性の出血(消化管出血、過多月経、子宮筋腫)、需要の亢進(成長期、妊娠)。診断では末梢血で小球性低色素性を確認し、血清鉄とフェリチンの低下、総鉄結合能と不飽和鉄結合能の増加をみる。治療は経口鉄剤の服用と、鉄欠乏を起こした原因疾患の治療。フェリチンは鉄貯蔵たんぱくで、細胞内に保存されるが水溶性のため血清フェリチンとして測定できる。基礎疾患を治療し鉄を適切に補えば予後は良好だが再発しやすい。
1疾患の身体所見を問い、他の欠乏症の症状を並べる。解法は、(1) 貧血共通の症状か、その物質の欠乏による症状かを区別、(2) 各症状がどの物質の欠乏かを割り当てる、(3) 対象の物質に一致するものを選ぶ。
鉄欠乏性貧血では爪の変形(スプーン状爪)がみられる。白髪は加齢、知覚鈍麻はビタミンB12・葉酸、味覚低下は亜鉛の欠乏。貧血共通の症状ではなく、物質の欠乏に特有の症状で種類を決める。