病初期から人格障害がよくみられるのはどれか。
正答:2
正答:2
前頭側頭型認知症では、病初期から人格の変化と行動の異常が現れる。正答は2。
認知症の型ごとに、病初期にどの症状が出るかを言えるか。
前頭側頭型認知症は、前頭葉と側頭葉の前部が萎縮する認知症である。前頭葉は行動の抑制、社会的な判断、意欲を担うため、ここが早くから傷むと人格が変わったように見える。万引きや無銭飲食などの反社会的行動、相手に無遠慮な言動(脱抑制)、同じ行動を繰り返す常同行動、身だしなみへの無関心、意欲の低下が病初期から現れ、一方で記憶は比較的保たれる。したがって記述2が正しい。誤肢は3つとも初期症状が違う。脳血管性認知症は梗塞や出血の部位に応じた症状が段階的に加わるもので、人格の変化が病初期の中心ではない。アルツハイマー病は海馬から始まるので記憶障害が初期の中心。レビー小体型認知症は幻視、認知機能の日内変動、パーキンソン症状が特徴。
「認知症=物忘れ」という思い込みがあると、記憶が保たれたまま人格が変わる型を見落とす。前頭側頭型認知症は、初期には周囲から性格が変わった・わがままになったと受け取られ、精神疾患と誤解されやすい。萎縮する部位(前頭葉と側頭葉前部)とその働き(抑制と社会性)を結びつければ症状は導ける。
前頭側頭型認知症は初老期(65歳未満)の発症が比較的多く、指定難病の対象にもなっている。記憶や見当識が保たれるため、認知機能検査で点数が下がりにくく診断が遅れる。介護では、行動を頭ごなしに止めず、常同行動を安全な形に置き換えるといった工夫が有効とされる。アルツハイマー病ではMRIで海馬・側頭葉内側の萎縮、前頭側頭型では前頭葉と側頭葉前部の萎縮が特徴で、画像でも分かれる。
認知症の型を4つ並べ、初期症状を問う。解法は、(1) 各型の萎縮部位・病変部位を思い出す、(2) その部位の働きから初期症状を導く、(3) 問われた症状に一致する型を選ぶ。
病初期から人格障害がよくみられるのは前頭側頭型認知症。前頭葉が抑制と社会性を担うためで、記憶は比較的保たれる。アルツハイマー病は記憶障害、レビー小体型は幻視、脳血管性は段階的悪化。