筋萎縮性側索硬化症でよくみられるのはどれか。
正答:3
正答:3
筋萎縮性側索硬化症では球麻痺により嚥下障害が起こる。正答は3。
筋萎縮性側索硬化症で侵される系統と、侵されにくい4つ(陰性徴候)を言えるか。
筋萎縮性側索硬化症は上位運動ニューロンと下位運動ニューロンがともに変性する疾患で、運動系だけが選択的に侵される。症状は筋力低下と筋萎縮、線維束性収縮、腱反射亢進、痙縮で、進行すると延髄の運動核が侵されて構音障害と嚥下障害(球麻痺)が現れ、最終的には呼吸筋麻痺に至る。したがって嚥下障害が正しい。一方、運動系以外は末期まで比較的保たれ、感覚障害・膀胱直腸障害・眼球運動障害・褥瘡の4つは起こりにくいことから陰性徴候(4大陰性徴候)と呼ばれる。誤肢の3つはまさにこの陰性徴候にあたる。膀胱直腸障害が起こりにくいのは自律神経の核が保たれるため、眼球運動障害が起こりにくいのは眼球運動を担う核が保たれるため、褥瘡ができにくいのは感覚が保たれ痛みを感じて体位を変えられるためである。
この設問は4大陰性徴候を知っていれば、消去法だけで解ける。感覚障害・膀胱直腸障害・眼球運動障害・褥瘡の4つを「起こりにくいもの」として覚え、残るものが答えになる。逆に、これらの症状が目立つ場合は筋萎縮性側索硬化症以外を考えるという鑑別にも使える。
筋萎縮性側索硬化症は指定難病で、進行を遅らせる薬はあるが根治療法はない。呼吸筋麻痺に対して人工呼吸器を装着するかどうかは、本人と家族が事前に話し合っておくべき重要な意思決定になる。コミュニケーション手段は、眼球運動が保たれることを利用した視線入力装置や文字盤が使われる。鍼灸は筋のこわばりや痛み、便秘、睡眠の問題に対する緩和が目的で、疾患そのものの進行を止めるものではないことを説明したうえで行う。
1疾患の症状を問い、陰性徴候を3つ並べる。解法は、(1) その疾患が侵す系統を確認、(2) 陰性徴候を思い出して消す、(3) 残ったものが答えになる。
筋萎縮性側索硬化症でよくみられるのは嚥下障害。膀胱直腸障害・眼球運動障害・褥瘡はいずれも起こりにくい4大陰性徴候。運動系だけが選択的に侵されることから導ける。