脊髄損傷患者に生じる自律神経過反射について正しいのはどれか。
正答:4
正答:4
膀胱がいっぱい、便が出ないといった刺激が引き金になり、急に血圧が上がる。正答は4。
起こる損傷の高さ、引き金、対処の順を正しく言えるか。
第6胸髄以上の高位脊髄損傷で起こりやすい自律神経の過剰な反射である。膀胱の充満、カテーテルの詰まり、便秘、褥瘡などが誘因となり、血圧が急激に上昇する。脳出血などの危険があるため、血圧と全身状態を速やかに評価し、安全を確保して誘因に対処する。誘因除去は重要だが、常に薬より先に処置するという意味ではない。高度高血圧では、導尿や直腸操作の前に薬物対応を検討する場合がある。本問の正答は便秘が誘因となる記述4。
誘因を残さないことと、誘因への処置をどんな状態でも最初に行うことは別。血圧の確認や上体を起こす初期対応を省略せず、状態を繰り返し評価する。直腸操作などで反射が強まることもあるため、薬物対応と処置の順は血圧や全身状態に応じて担当医療者が判断する。
講義では、引き金になるものとして膀胱内に尿がたまること、直腸内に便が充満することが挙げられ、麻痺している範囲に刺激が加わると交感神経の異常な反射が生じると説明される。その結果、腹部の内臓の血管が強く縮み、全身の血圧が上がる。適切な導尿は膀胱の過度な充満を防ぐために重要だが、間隔や飲水量などに応じた調整が必要である。定期的に実施しているという事実だけで、膀胱の充満や関連する誘因を否定しない。脊髄損傷の慢性期には、このほか起立性低血圧、骨がもろくなること、尿路の結石、褥瘡、異所性の骨化、性機能の障害などが問題になる。骨がもろくなるのは、麻痺で筋が萎縮して骨にかかる長軸方向の力が減るためで、溶け出したカルシウムが腎臓で結石をつくることがある。血圧が上がる方向と下がる方向の両方があることを押さえる。
高さ・対処・合併症・引き金を1つずつ並べ、3つを逆にする。解法は、(1) 起こる高さを確認、(2) 対処の順序を確認、(3) 引き金の一覧を思い出す。
便秘は自律神経過反射の誘因になる。高位脊髄損傷で起こりやすく、急な高血圧には速やかな医療評価が必要。誘因除去は重要だが、血圧評価や初期対応を飛ばさず、状態に応じて薬物対応と処置の順を決める。