「55歳の男性。夕食にしめさばを食べ就寝したところ1時間半後に強い心窩部痛で覚醒、救急搬送された。下痢は認めなかった。」本疾患について正しいのはどれか。
正答:1
正答:1
胃の壁に食いついている虫を、内視鏡でその場でつまみ出す。正答は1。
原因が虫だと分かったとき、治療がどこへ向かうかを言えるか。
痛みの原因は、胃の壁に食いついている虫そのものである。したがって取り除けば痛みは治まる。内視鏡を入れれば胃の中を直接見られるので、虫を探して見つけたらその場でつまみ出す。診断と治療を同時に行えるのが特徴である。誤肢は3つとも誤り。この虫に対しては、まれに全身のアレルギー反応が起こることが知られており、じんま疹や血圧の低下を伴う例がある。虫が胃の壁に食いついても、深い潰瘍をつくるわけではなく、内視鏡では発赤や浮腫が見える程度のことが多い。細菌ではないので抗菌薬は効かない。
原因が生き物そのものなら、薬で叩くのではなく取り除くのが最も速い。この考え方は、異物や結石などにも通じる。抗菌薬は細菌にしか効かないという原則も、ここで確認しておく。アレルギー反応が起こりうる点は見落とされやすいが、じんま疹を伴う腹痛という形で現れることがある。
腸まで進んだ場合は内視鏡が届かないため、症状を抑えながら自然に排出されるのを待つことが多い。虫は人の体内では成虫になれず、数日から数週間で死ぬ。予防が最も確実な対策で、生食用の魚は鮮度のよいうちに内臓を除き、目で確認し、加熱または冷凍する。締めても防げないという点は、患者への説明でとくに伝える価値がある。
治療と病態について4つ並べ、細菌性食中毒の常識を混ぜる。解法は、(1) 原因が何かを確定する、(2) それを取り除く手立てを探す、(3) 病原体の種類に効かない治療を除く。
胃壁に食いついた虫は内視鏡でつまみ出す。アレルギー反応は起こりうる、深い潰瘍はつくらない、抗菌薬は効かない。原因が生き物そのものなら取り除くのが最も速い。