裏実熱と裏虚熱が同時にみられるのはどれか。
正答:3
正答:3
裏の実熱(心火亢盛)と裏の虚熱(腎陰虚・心陰虚による陰虚内熱)が同時にある証は心腎不交。腎陰が心火を抑えられず、心火が腎に下らない状態。正答は3。
実熱と虚熱の違い(邪熱が盛ん vs 陰液不足で相対的に熱)と、その両方を併せ持つ複合証(心腎不交)を、純粋な実熱証(肝火犯肺・心肝火旺・脾胃湿熱)と区別できるか。
生理的には心火(陽)が下って腎水を温め、腎水(陰)が上って心火を抑えることで心腎は交わる(水火既済)。久病・過労・房事過多などで腎陰が不足すると心火を制約できず、心火が亢ぶって下らなくなる。結果、腎陰虚・心陰虚による虚熱(五心煩熱・盗汗・腰膝酸軟・口乾)と、心火亢盛による実熱(心煩・不眠・舌尖紅・口舌のびらん)が同時に出る。これが心腎不交で、裏虚熱+裏実熱の典型。肝火犯肺は肝火が肺を侵す実火、心肝火旺は心火と肝火の実熱、脾胃湿熱は湿と熱の実邪で、いずれも陰虚の虚熱を含まない。
実熱と虚熱の区別:実熱は高熱・口渇・便秘・舌紅苔黄・脈数有力、虚熱は午後の微熱・五心煩熱・盗汗・舌紅少苔・脈細数。心腎不交は本虚標実の例でもあり、第32回問93の肝陽上亢と並べて覚える。心火亢盛だけなら実熱のみで、腎陰虚の症状(腰膝酸軟・耳鳴)が加わって心腎不交。
心腎不交の治療は滋陰降火・交通心腎で、腎陰を補う太渓・照海・三陰交、心火を降ろす神門・少府・労宮、交通を図る心兪・腎兪を組み合わせる。不眠の弁証では、心火亢盛(実)、心脾両虚(虚)、心腎不交(虚実)、痰熱擾心(実)、肝鬱化火(実)を区別し、腰膝酸軟・盗汗・五心煩熱の有無で心腎不交を見分ける。
熱証を4つ並べ、虚熱を含む証を1つだけ置く。解法は、(1) 各証に陰虚(虚熱)が含まれるか、(2) 含むのは心腎不交だけ。
心火が下って腎水を温め、腎水が上って心火を抑える関係が崩れ、腎陰虚のため心火を制約できず心火が亢ぶる証が心腎不交。腎陰虚・心陰虚による虚熱(五心煩熱・盗汗・腰膝酸軟)と心火亢盛による実熱(心煩・不眠・舌尖紅)が同時に出る。肝火犯肺・心肝火旺・脾胃湿熱は実熱だけの証。不眠の鑑別で腰膝酸軟と盗汗があれば心腎不交を疑う。