次の徒手検査法と同様の病態を確認する検査はどれか。「肘関節伸展のまま肩関節を伸展すると肩関節前面に痛みが誘発され、この状態から肘関節を屈曲すると痛みが消失した。」
正答:2
正答:2
肘を伸ばしたまま肩を伸展すると肩前面が痛み、肘を曲げると消える。上腕二頭筋長頭腱が引き伸ばされて痛む所見で、同じ病態をみるのがスピードテスト。正答は2。
記述された操作から傷んでいる構造を特定し、同じ構造をみる別の検査を選べるか。
上腕二頭筋長頭は肩甲骨の関節上結節から起こり、結節間溝を通って上腕の前面を下り、橈骨粗面へ停止する。肩関節と肘関節の両方をまたぐ二関節筋なので、肘を伸ばしたまま肩を伸展させると最も引き伸ばされる。このとき肩関節前面の結節間溝に痛みが出て、肘を曲げると腱の緊張が緩んで痛みが消えるのは、長頭腱そのものが傷んでいることを示す。スピードテストは肘を伸ばし前腕を回外した状態で肩を屈曲させ、それに抵抗を加えて結節間溝に痛みが出るかをみる検査で、同じ構造を評価する。ヤーガソンテストも同じ病態をみる。ライトテストは肩を外転外旋させて胸郭出口の圧迫をみる検査、ダウバーンサインは肩峰下滑液包炎で外転により圧痛が消えるかをみる所見、ペインフルアークサインは外転60〜120度で痛みが出る腱板障害の所見。
肩の検査は数が多いので、どの構造をみるかで整理する。長頭腱=スピードテスト・ヤーガソンテスト、腱板(棘上筋)=ペインフルアークサイン・インピンジメントテスト、滑液包=ダウバーンサイン、胸郭出口=ライトテスト。設問の操作が二関節筋の伸張であることに気づけば長頭腱に絞れる。
上腕二頭筋長頭腱炎は投球やオーバーヘッドの動作の繰り返しで起こり、結節間溝に圧痛が出る。検査はスピードテスト(肘伸展・前腕回外で肩屈曲に抵抗)、ヤーガソンテスト(肘屈曲位で前腕回外に抵抗し結節間溝の痛みをみる)。腱板障害の検査はペインフルアークサイン、インピンジメントテスト(ニアー・ホーキンス)、ドロップアームサイン。滑液包炎はダウバーンサイン。凍結肩では全方向の可動域制限が出る。
肩の検査を4つ並べ、みる構造を散らす。解法は、(1) 記述された操作でどの構造が伸ばされるか(あるいは挟まれるか)を出す、(2) 各検査がみる構造を出す、(3) 一致するものを選ぶ。
肘を伸ばしたまま肩を伸展すると肩前面が痛み、肘を曲げると消えるのは、二関節筋である上腕二頭筋長頭腱が引き伸ばされて痛むため。同じ病態をみるのはスピードテスト。ライトテストは胸郭出口、ダウバーンサインは肩峰下滑液包炎、ペインフルアークサインが示すのは腱板の障害。