次の症例で異常が認められる検査法として最も適切なのはどれか。「75歳の女性。100m程度の歩行で左下肢後面に痛みやしびれが出現するが、低い手押し車の使用で症状は出ない。足の冷感や膀胱直腸障害はない。」
正答:2
正答:2
100m歩くと左下肢後面が痛むが、低い手押し車を使うと出ない。前かがみで楽になる神経性の間欠性跛行で、障害はS1レベル。アキレス腱反射に異常が出る。正答は2。
姿勢依存性の間欠性跛行から腰部脊柱管狭窄症を読み、障害される神経根レベルに対応する検査を選べるか。
腰部脊柱管狭窄症では、立位や歩行で腰椎が伸展すると脊柱管がさらに狭くなって馬尾や神経根が圧迫され、下肢の痛みやしびれが出る。前かがみになると脊柱管が広がるので症状が消える。低い手押し車を使うと前傾姿勢が保たれるため症状が出ないのはこのため。症状が下肢の後面に出ているのでS1レベルの障害を示し、S1を反射中枢とするアキレス腱反射に異常(減弱)が現れる。SLRテストは椎間板ヘルニアで陽性になりやすく、狭窄症では陰性のことが多い。バビンスキー反射は錐体路徴候で中枢性の障害を示すが、狭窄症は馬尾・神経根という末梢の障害。フライバーグテストは梨状筋症候群の検査。
間欠性跛行は血管性と神経性で分ける。足の冷感がなく、前かがみで楽になる姿勢依存性があれば神経性。本例は足の冷感も膀胱直腸障害もないと明記されており、冷感がないことで閉塞性動脈硬化症を、膀胱直腸障害がないことで重症の馬尾障害を除外している。前問(第33回問135)が血管性で、対になる出題。
腰部脊柱管狭窄症の型:神経根型(片側の下肢痛が主)、馬尾型(両側のしびれ、会陰部の異常感覚、膀胱直腸障害)、混合型。姿勢依存性が特徴で、前屈で楽になり自転車なら長く乗れる。血管性の間欠性跛行との鑑別は、冷感・足背動脈の拍動・ABI・姿勢依存性。膀胱直腸障害が出れば手術の適応を考えるので医療機関へつなぐ。S1の所見はアキレス腱反射の減弱、下腿三頭筋の筋力低下、足外縁・足底の感覚障害。
下肢の検査を4つ並べ、末梢と中枢、別疾患の検査を混ぜる。解法は、(1) 姿勢依存性で神経性の跛行と判定、(2) 症状の部位から神経根レベルを出す、(3) その根の腱反射を選ぶ。
100m歩くと下肢後面が痛むが低い手押し車では出ないのは、前かがみで脊柱管が広がるためで、腰部脊柱管狭窄症の姿勢依存性。症状が下肢後面なのでS1レベルの障害を示し、S1を反射中枢とするアキレス腱反射が減弱する。SLRテストは椎間板ヘルニア、バビンスキー反射は中枢性、フライバーグテストは梨状筋症候群の検査。