耳鳴り・難聴に対して、循経取穴により治療する場合、最も適切なのはどれか。
正答:1
正答:1
循経取穴は症状の出る部位を通る経の穴を取る方法。耳をめぐるのは手の少陽三焦経なので中渚。正答は1。
循経取穴という選穴法を理解し、耳をめぐる経を出してその経の穴を選べるか。
循経取穴は、症状の出ている部位を通る経脈の上から治療穴を選ぶ方法で、局所でも遠隔でもその経に属していればよい。耳のまわりをめぐる経は、手の少陽三焦経(耳の後ろを回り耳中に入り耳前へ出る)と足の少陽胆経(耳の周囲をめぐる)。手の少陽三焦経の穴は中渚で、手背の第4・第5中手骨間、第4中手指節関節の近位陥凹部にある。太淵は手の太陰肺経の原穴で肺経は耳を通らない。三間は手の陽明大腸経の穴で、大腸経は顔面へ上るが耳をめぐるのは主に少陽経。神門は手の少陰心経の原穴で、心経も耳を直接めぐらない。
耳の症状というと腎(耳は腎の竅)を思い浮かべ、臓腑弁証で選びたくなるが、設問は循経取穴と方法を指定している。この場合は経脈の流注だけで決まる。耳をめぐるのは少陽経(三焦経と胆経)で、腎経は耳を直接めぐらない。設問が方法を指定したら、その方法の論理だけで選ぶ。
手の少陽三焦経の流注:薬指の尺側端から起こり手背・前腕後面・上腕外側を上り、肩から欠盆へ入って胸中で心包を絡い三焦に属す。分枝は胸から上って欠盆へ出て項をめぐり耳の後ろへ至り、耳中へ入って耳の前へ出て、外眼角に至る。耳の周囲の経穴は、翳風・瘈脈・顱息・角孫・耳門(三焦経)、聴宮(小腸経)、聴会・完骨(胆経)。耳鳴・難聴の治療では、局所にこれらを取り、遠隔で中渚・外関・侠渓などを合わせる。
臓腑弁証(耳=腎)へ誘導しつつ、方法を循経取穴と指定する。解法は、(1) 指定された方法を確認、(2) 症状の部位を通る経を出す、(3) その経の穴を選ぶ。
循経取穴は症状の出る部位を通る経の穴を選ぶ方法。耳をめぐるのは手の少陽三焦経で、その穴は中渚。太淵は肺経、三間は大腸経、神門は心経で、いずれも耳をめぐらない。耳は腎の竅なので腎経を選びたくなるが、方法が指定されているときは流注だけで決める。