「52歳の女性。右側の表情筋麻痺で来院。同側の額のしわ寄せは不能で、涙液減少、聴覚過敏、味覚障害、唾液分泌障害を伴う。」四総穴の主治を踏まえて治療する場合、最も適切な経穴はどれか。
正答:1
正答:1
四総穴では顔面と口の症状に合谷を用いる。表情筋の麻痺は顔面の症状なので合谷。正答は1。
四総穴の4つの主治を言えるか。症状の部位から対応する穴を引く。
四総穴は、体の4つの部位の症状にそれぞれ対応する4つの穴で、「肚腹は三里に留め、腰背は委中に求め、頭項は列欠に尋ね、面口は合谷に収む」という歌訣で伝えられる。すなわち腹部の症状には足三里、腰背部には委中、後頭部と項には列欠、顔面と口には合谷を用いる。本例は表情筋の麻痺で顔面の症状なので合谷。合谷は手背の第1・第2中手骨の間にある大腸経の原穴で、大腸経が顔面へ上って鼻の傍らへ至る流注とも合う。
4つの穴と部位の対応をそのまま覚えるほかない。歌訣の形で覚えると順序も含めて定着しやすい。頭部でも、顔面・口は合谷、後頭部・項は列欠と分かれる点に注意する。顔面神経麻痺では局所に翳風・陽白・四白・地倉・頬車などを取り、遠隔で合谷を合わせるのが定型。
四総穴:足三里(肚腹=腹部)、委中(腰背)、列欠(頭項)、合谷(面口)。いずれも要穴を兼ねており、足三里は胃経の合土穴で胃の下合穴、委中は膀胱経の合土穴で膀胱の下合穴、列欠は肺経の絡穴で八脈交会穴(任脈)、合谷は大腸経の原穴。後世に三陰交(婦人科)を加えて五総穴とすることもある。手の陽明大腸経は示指から起こり上肢の橈側背面を上り、肩・頸を経て顔面へ至り、人中で交叉して反対側の鼻翼の傍らへ終わる。
四総穴の4穴をそのまま並べ、部位の対応だけで選ばせる。解法は、(1) 症状の部位を確認、(2) 歌訣の対応を思い出す、(3) 該当する穴を選ぶ。
四総穴は部位ごとに対応する4つの穴で、腹部は足三里、腰背は委中、頭項は列欠、顔面と口は合谷。表情筋の麻痺は顔面の症状なので合谷を用いる。同じ頭部でも後頭部と項は列欠になる点に注意する。歌訣の形で覚えると定着しやすい。