問165
刺鍼によって心タンポナーデの危険性がある経穴はどれか。
この問題の分類段階1 暗記用語・数値・定義を確認する問題
正答:2
正答:2
胸骨に生まれつきの穴が開いていることがあり、その真上を深く刺すと心臓に届く。正答は2。
胸部の経穴の深部にある構造と、生まれつきの変異を踏まえて判断できるか。
心臓を包む膜の中に血が溜まり、心臓が広がれなくなる状態が心タンポナーデである。胸の正中で乳頭の高さにあたる部位は胸骨の上にあるが、胸骨には生まれつき小さな穴が開いていることがあり、その真上から深く刺すと心臓へ届く危険がある。したがって記述2が最も危険である。誤肢は深部の構造が違う。鎖骨の下の外側の部位と肋骨の間の部位は、深部の主な危険が肺であり、気胸が問題になる。
胸部の経穴といえば気胸、と直結させると外す。前胸部の正中では、胸骨の生まれつきの穴を介して心臓に届くという別の危険がある。予防としては、前胸部での深刺を避けるという原則を守る。
胸骨の裂孔は珍しくない変異で、外から触れても分からないことが多い。前胸部では鍼を寝かせて浅く用い、深く垂直に刺さないことが原則になる。心臓が圧迫されると、血圧の低下、頸の静脈の怒張、心音の減弱が現れ、直ちに医療機関での処置が必要になる。血が固まりにくい人では、深部に思わぬ大きな血腫を作ることもある。
胸腹部の経穴を4つ並べ、深部の危険で選ばせる。解法は、(1) 各部位の深部を書く、(2) 設問の危険がどの構造に対応するかを決める、(3) 一致する部位を選ぶ。
心タンポナーデの危険があるのは膻中。胸骨裂孔を介して心臓に届きうるため、前胸部では深刺を避ける。中府・期門の主な危険は気胸。