問173
透熱灸を行う上で最も注意が必要なのはどれか。
この問題の分類段階2 理解正答の理由や選択肢の違いを整理する問題
正答:3
正答:3
血糖が高い状態では、熱さが分かりにくく、傷も膿みやすい。正答は3。
熱傷と感染の両面から、危険な病態を判断できるか。
皮膚に痕を残す灸では、意図した範囲の小さな熱傷を作る。血糖が高い状態が続くと、末梢の神経が傷んで熱さの感覚が鈍くなるため、患者が熱さを判断できず、意図しない深い熱傷を招く。さらに感染に弱くなっているため、灸痕が膿んだり潰瘍になったりしやすい。したがって記述3が最も注意を要する。誤肢は3つとも、熱傷の深さや感染のしやすさに直接関わらない。血圧が低い状態、骨がもろくなる状態、月経に伴う痛みは、いずれも皮膚の感覚や治りに関わらない。
注意すべき理由が2つ重なっている点がこの設問の要である。感覚が鈍るから深い熱傷になりやすい、感染に弱いから膿みやすい、という二重の危険がある。既往を聞き取るときは、血糖の状態と、しびれの有無をあわせて確認する。
感覚の障害をきたしうる疾患の既往を十分に聞き取ることが予防として挙げられている。感覚が失われている部位への施灸は禁忌の部位にも挙げられる。施灸中は不測の事態に対応できるよう患者のそばを離れない。意図しない熱傷が生じた場合、赤みだけなら流水で冷やし、水ぶくれ以上で感染の危険があれば医療機関の受診を勧める。
疾患を4つ並べ、感覚と感染に関わるものを1つ置く。解法は、(1) 熱傷の深さと感染の2軸を立てる、(2) 両方に関わる疾患を探す、(3) それを選ぶ。
最も注意が必要なのは糖尿病。感覚が鈍って熱さを判断できず、感染にも弱いという二重の危険がある。低血圧症・骨粗鬆症・月経困難症は皮膚の感覚や治りに関わらない。