ハヴィガースト, R. J. Havighurst, R. J. が提唱する老年期の発達課題はどれか。
公式正答:2
解説
ハヴィガーストが提唱する老年期の発達課題を問う。退職と収入の減少に適応することである。
この問題で問われていること
各時期の課題を、内容から判別できるか。
しくみから理解する
ハヴィガーストの老年期の課題は、①体力と健康の衰退に適応すること、②退職と収入の減少に適応すること、③配偶者の死に適応すること、④自分と同年輩の人々と明るい親密な関係を確立すること、⑤社会的・市民的義務を引き受けること、⑥肉体的な生活を満足に送れるよう準備を整えること(住宅など)、の6つになる。いずれも「失うものへの適応」と「新しい関係と役割の獲得」が中心になる。退職と収入の減少への適応は、この中核をなす課題になる。
選択肢ごとの確認
子どもを育てることは、壮年初期の課題になる。配偶者の選択、配偶者との生活、育児、家庭の管理、職業の開始、市民的責任の負担、そして適切な社会集団の選択が含まれる。
社会的責任をともなう行動を望んでなしとげることは、青年期の課題になる。加えて、中年期の課題にも「大人としての市民的・社会的責任の達成」があり、紛らわしい。老年期では「社会的・市民的義務を引き受ける」となり、能動的に成し遂げるというより、担い続けるという表現になる。
男性あるいは女性としての社会的役割を獲得することは、青年期の課題になる。児童期にも「性の違いにもとづく社会的役割の学習」があり、青年期でそれが獲得へ進む。
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混同しやすいポイント
各時期の課題を、そのまま暗記するのではなく、「その時期に何を得て、何を手放すか」で捉える。①乳幼児期=生活の土台を得る、②児童期=学びと仲間を得る、③青年期=独立と将来を選ぶ、④壮年初期=家庭と職業を築く、⑤中年期=責任を担い、変化を受け入れる、⑥老年期=失うものに適応し、新しい関係を築く、になる。誤肢は、いずれも「得る」課題であり、老年期の「適応する」課題とは方向が異なる。
理解を深める
老年期の発達課題と心理を整理する。ハヴィガーストの老年期の6課題=上記のとおり。エリクソンの老年期=統合性 対 絶望。人生を振り返り、それが意味あるものだったと受け入れられれば統合性が得られ、後悔と恨みが残れば絶望に至る。導かれる徳は「英知」になる。ペックは、エリクソンの老年期をさらに3つに分けた。①自我の分化 対 仕事役割への没頭(仕事以外に自分の価値を見出せるか)、②身体の超越 対 身体への没頭(体の衰えにとらわれず生きられるか)、③自我の超越 対 自我への没頭(自分の死を超えて、次の世代へつながるものを見出せるか)。老年期の喪失=①健康と身体機能、②配偶者、家族、友人との死別、③仕事と社会的役割、④収入、⑤住まいと生活の場、⑥自立。これらが重なることが、老年期の特徴になる。サクセスフルエイジング=①疾病と障害がないこと、②高い認知機能と身体機能を保つこと、③人生への積極的な関与、の3つを挙げる考え方がある。ただし、疾病や障害があっても、その人なりに満足のいく生き方は可能であり、この定義には批判もある。近年は、老年的超越(高齢になるほど、物質的で合理的な世界観から、宇宙的で超越的な世界観へ移行し、幸福感が高まる)という考え方も示されている。看護=①その人の歩んできた道を聴く(回想法、ライフレビュー)、②役割と居場所をつくる、③喪失への悲嘆を支える、④できることに目を向ける、⑤社会とのつながりを保つ、⑥意思決定を支える(人生の最終段階における医療とケアの話し合いを含む)。
間違えやすい考え方
理論の時期を問う型で、誤肢が他の時期の課題である。得る課題か適応する課題かで切る。
5分で振り返る
①ハヴィガーストの老年期の課題=体力と健康の衰退への適応、退職と収入の減少への適応、配偶者の死への適応、同年輩との親密な関係の確立、社会的・市民的義務の引き受け、満足な住宅の準備。②いずれも「失うものへの適応」と「新しい関係と役割の獲得」が中心。③子どもを育てることは壮年初期の課題。④社会的責任をともなう行動を望んでなしとげることと、男性あるいは女性としての社会的役割の獲得は青年期の課題。⑤エリクソンの老年期は「統合性 対 絶望」。導かれる徳は英知。⑥ペックは老年期を、仕事役割からの分化、身体の超越、自我の超越の3つに分けた。⑦老年期は、健康、配偶者、仕事、収入、住まい、自立といった喪失が重なる時期になる。
1分チェック
- ハヴィガーストの老年期の課題は。→ 退職と収入の減少への適応。
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