胃から分泌される消化管ホルモンはどれか。
公式正答:1
解説
消化管ホルモンは分泌される場所と作用がセットで問われる。胃から出るのはガストリンで、胃酸の分泌を促す。
この問題で問われていること
主な消化管ホルモンの分泌部位と作用を対応させられるか。名前に「胃」がついていても胃から出るとは限らない。
しくみから理解する
ガストリンは胃幽門部のG細胞から分泌され、胃壁細胞に働いて胃酸(塩酸)の分泌を促し、胃の運動も高める。食物が胃に入って胃壁が伸展されたり、蛋白質の分解産物が刺激になったりして分泌が増える。逆に胃内のpHが下がりすぎると分泌が抑えられる(負のフィードバック)。セクレチンは十二指腸のS細胞から、酸性の胃内容が入ってくると分泌され、膵臓から重炭酸イオンに富む膵液を出させて中和する。コレシストキニンは十二指腸のI細胞から、脂肪と蛋白質の刺激で分泌され、胆嚢を収縮させ膵酵素の分泌を促す。胃抑制ペプチド(GIP)は十二指腸と空腸から分泌され、胃の運動と胃酸分泌を抑え、インスリン分泌を促す。 【接地元】ガイトン生理学 消化管の分泌機能、人体の構造と機能 第5版 消化器系
選択肢ごとの確認
胃幽門部のG細胞から分泌され、胃酸分泌と胃運動を促す。
十二指腸から分泌される。酸を中和するために膵臓から重炭酸イオンを出させる。世界で最初に発見されたホルモンでもある。
名前に「胃」がつくが、分泌されるのは十二指腸と空腸。しかも作用は胃の働きを抑える方向で、胃から出るガストリンとは正反対。名前に引きずられないこと。
十二指腸から分泌され、胆嚢(コレシスト)を収縮(キニン)させる。名前がそのまま作用を表している。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
「胃抑制ペプチド」という名前が最大の罠。名前に含まれる臓器名は、分泌される場所ではなく作用する場所を指していることがある。コレシストキニンも同様で、胆嚢に作用するが分泌は十二指腸である。
理解を深める
消化管ホルモンは「胃の働きを進めるか止めるか」で整理できる。進める=ガストリン(胃から・胃酸分泌促進)。止める=セクレチン・コレシストキニン・胃抑制ペプチド(いずれも十二指腸以降から・胃の運動と分泌を抑える)。十二指腸に内容物が来たら、胃はいったん送り出しを緩めて十二指腸の処理を待つ、という調節になっている。胃抑制ペプチドはインクレチンの一つで、経口摂取のほうが静脈内投与よりインスリンが多く出る現象(インクレチン効果)に関わり、糖尿病治療薬のDPP-4阻害薬やGLP-1受容体作動薬につながる。
間違えやすい考え方
名前に含まれる臓器名と分泌部位を取り違えさせる型。消化管ホルモンは「どこから出て・何に作用するか」を必ず2点セットで覚える。
5分で振り返る
ガストリン=胃幽門部G細胞→胃酸分泌と胃運動を促進。セクレチン=十二指腸S細胞→膵臓から重炭酸イオンを出させ酸を中和。コレシストキニン=十二指腸I細胞→胆嚢収縮と膵酵素分泌。胃抑制ペプチド(GIP)=十二指腸・空腸→胃の運動と分泌を抑制、インスリン分泌を促進。胃から出るのはガストリンだけで、他は十二指腸以降から出て胃を抑える。
1分チェック
- 胃から分泌される消化管ホルモンは何か
- セクレチンはどこから出て何をするか
- 胃抑制ペプチドはどこから分泌されるか
- コレシストキニンの作用は何か
この問題に対応する教材の確認中です。