カルシウム拮抗薬の血中濃度を上げる食品はどれか。
公式正答:4
解説
カルシウム拮抗薬の血中濃度を上げる食品を問う。グレープフルーツである。
この問題で問われていること
薬と食品の相互作用の代表例を覚えているか。
しくみから理解する
グレープフルーツに含まれる成分(フラノクマリン類)は、小腸にある薬物代謝酵素の一つを阻害する。カルシウム拮抗薬の多くは、この酵素で代謝されるため、阻害されると分解されずに吸収される量が増え、血中濃度が上がる。その結果、血圧の下がりすぎ、めまい、ふらつき、頭痛、そして頻脈が生じうる。作用は摂取後すぐに現れ、酵素が回復するまで数日続くため、「服薬の時間をずらせばよい」というものではない。したがって、服用中は摂取を避けるよう指導する。
選択肢ごとの確認
牛乳は、カルシウム拮抗薬の血中濃度を上げない。牛乳が問題になるのは、①一部の抗菌薬(テトラサイクリン系、ニューキノロン系)で、カルシウムと結合して吸収が低下する、②腸溶性の製剤で、胃内のpHが上がって被膜が早く溶ける、という場合になる。
納豆は、ワルファリンの作用を弱める。納豆菌が腸内でビタミンKを産生し、ワルファリンがビタミンKの働きを妨げる薬であるため、効果が減弱する。クロレラと青汁も同様になる。緑黄色野菜はビタミンKを含むが、通常の摂取量であれば問題にならないとされ、極端に多量に摂ることを避ける。
ブロッコリーもビタミンKを含むため、ワルファリンとの関係で話題になるが、カルシウム拮抗薬の血中濃度を上げるものではない。
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混同しやすいポイント
薬と食品の相互作用は、代表的な組み合わせを覚える。①グレープフルーツ+カルシウム拮抗薬(一部の免疫抑制薬、脂質異常症治療薬でも問題になる)=血中濃度が上がる、②納豆・クロレラ・青汁+ワルファリン=効果が弱まる、③牛乳・乳製品+一部の抗菌薬=吸収が低下する、④アルコール+多くの薬=作用の増強、⑤セント・ジョーンズ・ワート(西洋オトギリソウ)+多くの薬=代謝が促進され効果が弱まる、⑥カフェイン+気管支拡張薬=作用の増強。誤肢は、いずれもワルファリンまたは抗菌薬に関わるものになる。
理解を深める
薬物の相互作用を整理する。機序=①吸収の段階(キレートの形成、胃内のpHの変化、吸着)、②分布の段階(タンパク結合の競合)、③代謝の段階(薬物代謝酵素の阻害と誘導)、④排泄の段階(腎尿細管での競合)、⑤作用点での相互作用(相加、相乗、拮抗)。代謝酵素の阻害=血中濃度が上がり、作用と副作用が強まる(グレープフルーツ、一部の抗真菌薬、マクロライド系抗菌薬)。誘導=血中濃度が下がり、効果が弱まる(喫煙、一部の抗てんかん薬、抗結核薬、セント・ジョーンズ・ワート)。とくに注意する薬=①治療域が狭い薬(ワルファリン、ジゴキシン、テオフィリン、抗てんかん薬、免疫抑制薬、リチウム)は、わずかな血中濃度の変化が中毒または効果不足につながる、②高齢者と、腎・肝機能が低下している人では影響が大きい。看護=①服薬状況の確認(他の医療機関からの処方、市販薬、健康食品、サプリメントを含めて把握する。お薬手帳を一つにまとめる)、②食品と嗜好品の確認(グレープフルーツ、納豆、アルコール、たばこ、カフェイン)、③患者への説明(なぜ避けるのか、いつまで避けるのかを、理由とともに伝える。「だめです」だけでは守られない)、④副作用と効果の観察、⑤医師と薬剤師への相談。健康食品とサプリメントは、患者が「薬ではない」と考えて申告しないことが多いため、こちらから具体的に尋ねる必要がある。
間違えやすい考え方
相互作用を問う型で、誤肢が他の薬に関わる食品である。代表的な組み合わせで切る。
5分で振り返る
①グレープフルーツの成分が小腸の薬物代謝酵素を阻害し、カルシウム拮抗薬の血中濃度を上げる。血圧の下がりすぎ、めまい、ふらつき、頻脈が生じうる。②作用は数日続くため、服薬の時間をずらしても避けられない。摂取そのものを避ける。③納豆・クロレラ・青汁はワルファリンの効果を弱める(ビタミンKの産生と含有による)。④牛乳・乳製品は、一部の抗菌薬(テトラサイクリン系、ニューキノロン系)と結合して吸収を低下させる。⑤セント・ジョーンズ・ワートは代謝を促進し、多くの薬の効果を弱める。⑥治療域が狭い薬(ワルファリン、ジゴキシン、テオフィリン、抗てんかん薬、リチウム)はとくに注意する。⑦健康食品とサプリメントは、患者が申告しないことが多いため、こちらから尋ねる。
1分チェック
- カルシウム拮抗薬の血中濃度を上げるのは。→ グレープフルーツ(代謝酵素の阻害)。
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