健康な成人における1日の平均尿量はどれか。
公式正答:3
解説
健康な成人における1日の平均尿量を問う。1,500mLである。
この問題で問われていること
尿量の基準値と、異常の区分を覚えているか。
しくみから理解する
健康な成人の1日の尿量は、およそ1,000〜1,500mLになる。これは、①摂取した水分、②代謝により生じた水(代謝水。およそ200〜300mL)から、③不感蒸泄(皮膚と呼気からの水分の喪失。およそ900mL)、④便に含まれる水分(およそ100mL)を差し引いた量になる。加えて、体内で生じた老廃物(尿素、クレアチニン、尿酸、電解質)を排泄するために、最低限必要な尿量が400〜500mL程度あり、これを下回ると老廃物が体内に蓄積する。
選択肢ごとの確認
100mLは無尿の範囲になる。1日100mL以下を無尿という。
500mLは乏尿には当たらない。乏尿は1日400mL以下をいう。ただし体内で生じた老廃物を排泄するのに必要な尿量(およそ400〜500mL)に近く、正常な1日尿量(1,000〜1,500mL)としては少ない。
2,500mLは多尿には当たらない。多尿は1日3,000mL以上をいう。ただし正常な1日尿量(1,000〜1,500mL)よりは多い。原因は、水分の多量摂取、糖尿病(浸透圧利尿)、尿崩症、利尿薬、そして慢性腎臓病の一部になる。
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混同しやすいポイント
尿量の区分を、数値とともに覚える。①無尿=1日100mL以下、②乏尿=1日400mL以下、③正常=1日1,000〜1,500mL程度、④多尿=1日3,000mL以上。加えて、時間尿として0.5mL/kg/時を下回る場合を乏尿の目安とする(体重50kgなら25mL/時)。この時間あたりの基準は、術後と重症の患者の管理で用いられる。頻尿=回数の問題であり、量とは別になる(1日8回以上が目安)。
理解を深める
水分出納と排尿を整理する。1日の水分の出入り(成人、およその値)=入る側=飲水1,200mL、食物中の水分1,000mL、代謝水300mL、合計2,500mL。出る側=尿1,500mL、不感蒸泄900mL(皮膚600mL、呼気300mL)、便100mL、合計2,500mL。不感蒸泄は、発熱により増える(体温が1℃上がるごとにおよそ15%増える)、発汗は不感蒸泄に含まれない(発汗は目に見える喪失)。排尿の仕組み=①膀胱に150〜300mL程度たまると尿意を感じる、②400〜500mLで強い尿意、③排尿は、副交感神経(骨盤神経)により排尿筋が収縮し、内尿道括約筋が弛緩して起こる。外尿道括約筋は随意的に制御される(陰部神経)、④蓄尿は交感神経(下腹神経)による。排尿の異常=①頻尿(1日8回以上)、②夜間頻尿、③尿閉(膀胱に尿があるのに排出できない)、④残尿、⑤尿失禁(腹圧性、切迫性、溢流性、機能性、反射性)、⑥排尿困難、⑦尿線の異常。尿の性状=①色(淡黄色。濃縮で濃く、多飲で薄い。血尿、ミオグロビン尿、ビリルビン尿では変化する)、②比重(1.005〜1.030)、③pH(弱酸性。およそ6.0)、④混濁(感染、結晶)、⑤におい。看護=①水分出納の記録、②体重の測定(体液量の変化を最も鋭敏に反映する)、③尿量の測定(時間尿を含む)、④脱水と溢水の徴候、⑤排尿の自立への支援、⑥カテーテルの管理(不要になったら速やかに抜去する)。
間違えやすい考え方
基準値を問う型で、誤肢が無尿・乏尿・多尿の値である。区分の数値で切る。
5分で振り返る
①健康な成人の1日の尿量はおよそ1,000〜1,500mL。②無尿=1日100mL以下、乏尿=1日400mL以下、多尿=1日3,000mL以上。③老廃物の排泄に最低限必要な尿量は400〜500mL程度。これを下回ると老廃物が蓄積する。④時間尿では0.5mL/kg/時を下回る場合を乏尿の目安とする。⑤1日の水分の出入り=入る側は飲水1,200mL、食物中1,000mL、代謝水300mL。出る側は尿1,500mL、不感蒸泄900mL、便100mL。⑥不感蒸泄は体温が1℃上がるごとに約15%増える。発汗は不感蒸泄に含まれない。⑦膀胱に150〜300mLたまると尿意を感じる。⑧体重は体液量の変化を最も鋭敏に反映する。
1分チェック
- 成人の1日の尿量は。→ 約1,000〜1,500mL(乏尿は400mL以下、無尿は100mL以下)。
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