看護過程における情報収集で適切なのはどれか。
公式正答:2
解説
看護過程における情報収集で適切なものを問う。看護計画立案後も情報収集を継続することである。
この問題で問われていること
看護過程が循環する過程であることを理解しているか。
しくみから理解する
看護過程は、アセスメント、看護問題の明確化、計画、実施、評価という5段階からなるが、これは一方向に進んで終わるものではない。実施の中で新たな情報が得られ、患者の状態も変化するため、情報収集は全過程を通じて続く。計画を立てた後も、①計画が適切かを確かめるため、②状態の変化を捉えるため、③新たな問題を見つけるため、情報を集め続ける。得られた情報は、アセスメントへ戻り、計画の修正へつながる。
選択肢ごとの確認
既往歴を情報に含めないことは誤りになる。既往歴は、現在の状態を理解し、今後起こりうることを予測するために不可欠になる。手術歴、慢性疾患、アレルギー、服薬歴、そして過去の入院の経験は、いずれも看護に直接影響する。
看護問題を特定してから情報収集を開始することも誤りになる。順序が逆になる。情報を集め、解釈と分析を経て、問題が明らかになる。問題を先に決めてから情報を集めれば、その仮説に合う情報だけを選んでしまう(確証バイアス)。
不安の内容を閉じた質問で情報収集することも適切でない。閉じた質問は、「はい」「いいえ」または短い言葉で答えられる質問で、事実の確認には適するが、気持ちと考えを引き出すことには向かない。不安の内容のように、本人にしか語れない主観的な事柄は、開かれた質問(「どんなことが気がかりですか」)で尋ねる。
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混同しやすいポイント
誤肢は、①情報を狭める、②順序が逆、③方法が合わない、の3つになる。看護過程の原則は、①情報は全過程を通じて集め続ける、②問題は情報から導く(先に決めない)、③方法は目的に合わせる(事実は閉じた質問、気持ちは開かれた質問)になる。
理解を深める
情報収集を整理する。情報の範囲=①現病歴と現在の状態、②既往歴(疾患、手術、外傷、アレルギー、輸血、感染症)、③服薬(処方薬、市販薬、健康食品、サプリメント)、④生活(食事、排泄、睡眠、活動、清潔、嗜好品)、⑤家族と社会(家族構成、介護力、住まい、仕事、経済、地域)、⑥心理(気持ち、価値観、希望、不安、対処の方法)、⑦発達段階、⑧これまでの経験(医療への考え方、過去の入院の記憶)。質問の技法=①開かれた質問(「どのように」「どんな」「何が」。気持ち、考え、経過を引き出す)、②閉じた質問(事実の確認、判断能力が低下している場合、時間が限られている場合)、③焦点を絞った質問、④要約と確認、⑤沈黙を待つ。避けるべき問い方=①誘導する質問(「痛くないですよね」)、②なぜという問い(責められていると感じさせる)、③一度に複数を尋ねる、④矢継ぎ早に尋ねる(尋問になる)。情報の信頼性=①誰から得た情報かを明記する、②伝聞と直接の観察を区別する、③記録の情報も、日時と出所を確認する、④本人の言葉はそのまま残す。継続的な情報収集=①日々の関わりの中で得る(ケアの場面、会話、表情)、②意識して聴く時間を作る、③他職種と共有する、④家族から得る、⑤変化に気づく(前回と比べてどうか)。看護過程は、書類を作るための手続きではなく、その人を理解し、必要な援助を見つけ、実際に届けるための思考の道筋になる。
間違えやすい考え方
手順の正誤を問う型で、誤肢が情報を狭める・順序が逆・方法が合わないものである。循環する過程という原則で切る。
5分で振り返る
①看護過程は一方向ではなく循環する。情報収集は全過程を通じて続く。②計画を立てた後も、計画が適切かを確かめ、状態の変化を捉え、新たな問題を見つけるために情報を集める。③既往歴は、現在の状態の理解と今後の予測に不可欠。手術歴、慢性疾患、アレルギー、服薬歴を含める。④問題を先に決めてから情報を集めると、仮説に合う情報だけを選んでしまう(確証バイアス)。⑤不安の内容は、開かれた質問(「どんなことが気がかりですか」)で尋ねる。閉じた質問は事実の確認に適する。⑥避けるべき問い方=誘導する質問、なぜという問い、一度に複数を尋ねる、矢継ぎ早に尋ねる。⑦情報は、誰から得たかを明記し、伝聞と直接の観察を区別する。
1分チェック
- 情報収集は。→ 計画を立てた後も続ける(全過程を通じて)。
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