漸進的筋弛緩法の目的はどれか。
公式正答:2
解説
漸進的筋弛緩法の目的を問う。緊張の緩和である。
この問題で問われていること
この方法が何をする技法かを理解しているか。
しくみから理解する
漸進的筋弛緩法は、身体の各部位の筋を、意識的に強く緊張させてから、一気に力を抜くことを繰り返す方法になる。緊張と弛緩の差を体で感じることで、①自分が緊張していることに気づけるようになる、②力の抜き方を身につけられる、という効果が得られる。手、腕、肩、顔、首、背中、腹、脚と、順に進めていく(漸進的)。身体の緊張がほぐれることで、心の緊張も和らぐ。不安、不眠、疼痛、そして緊張性の頭痛に用いられる。
選択肢ごとの確認
気道の確保が目的ではない。気道の確保は、頭部後屈顎先挙上法、下顎挙上法、そして器具による方法で行う。
麻痺の改善も目的ではない。麻痺に対しては、リハビリテーション(関節可動域訓練、筋力増強、機能的な訓練)が行われる。
全身麻酔の導入も目的ではない。全身麻酔は、静脈麻酔薬と吸入麻酔薬により行われる。なお、麻酔で用いる筋弛緩薬とは、名称が似ているが全く別のものになる。
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混同しやすいポイント
「筋弛緩」という語から、麻酔の筋弛緩薬を連想して迷いやすい。この方法は、薬を用いず、自分で行うリラクセーションの技法になる。誤肢は、いずれも医療者が行う処置であり、本人が自分で行う技法という性格から外れている。リラクセーション法の共通の目的は、交感神経の緊張を和らげ、副交感神経を優位にすることになる。
理解を深める
リラクセーション法を整理する。主な方法=①漸進的筋弛緩法(筋を緊張させてから緩める)、②自律訓練法(「両腕が重い」「両腕が温かい」といった言葉を心の中で繰り返し、身体の感覚に注意を向ける。6つの公式からなる)、③呼吸法(腹式呼吸、ゆっくりとした深い呼吸。吐く時間を長くする)、④イメージ法(心地よい情景を思い描く)、⑤マインドフルネス(いま、この瞬間の経験に、評価を加えずに注意を向ける)、⑥音楽療法、⑦マッサージとタッチング、⑧アロマセラピー。生理的な効果=副交感神経が優位になり、①心拍数と血圧の低下、②筋緊張の緩和、③呼吸数の減少、④末梢の血流の増加、⑤消化管の活動の亢進が生じる。適応=不安、不眠、疼痛、悪心(予期性)、高血圧、緊張性頭痛、そして処置への恐怖。実施の際の注意=①静かで、中断されない環境、②楽な姿勢と、締めつけない衣服、③無理に「リラックスしよう」と力まない(かえって緊張する)、④効果は繰り返すことで高まるため、継続を勧める、⑤精神疾患のある人では、内的な体験に注意を向けることで不安が高まる場合があり、慎重に判断する、⑥呼吸法では、過換気に注意する。看護における位置づけ=薬に頼らずに苦痛を和らげる手段として、また患者が自分で行える対処法として意味を持つ。「してもらう」ケアではなく、「自分でできる」ようになることが、その人の対処の力を高める。加えて、方法を伝えるだけでなく、一緒にやってみることで、実際に身につく。
間違えやすい考え方
技法の目的を問う型で、誤肢がすべて医療者が行う処置である。自分で行う技法という性格で切る。
5分で振り返る
①漸進的筋弛緩法は、身体の各部位の筋を意識的に緊張させてから一気に力を抜くことを繰り返す方法。②緊張と弛緩の差を体で感じることで、緊張に気づき、力の抜き方を身につけられる。③手、腕、肩、顔、首、背中、腹、脚と順に進める。④不安、不眠、疼痛、緊張性頭痛に用いる。⑤麻酔で用いる筋弛緩薬とは全く別のもの。⑥リラクセーション法=漸進的筋弛緩法、自律訓練法、呼吸法、イメージ法、マインドフルネス、音楽療法、マッサージ、アロマセラピー。⑦生理的な効果=副交感神経が優位になり、心拍数と血圧の低下、筋緊張の緩和、末梢血流の増加。⑧無理に「リラックスしよう」と力まない。繰り返すことで効果が高まる。
1分チェック
- 漸進的筋弛緩法の目的は。→ 緊張の緩和(筋を緊張させてから緩める)。
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