成人の睡眠中に分泌が増加するホルモンはどれか。
公式正答:3
解説
成長ホルモンは深いノンレム睡眠のときに大量に分泌される。「寝る子は育つ」の生理学的な裏づけ。
この問題で問われていること
ホルモン分泌の日内変動を知っているか。睡眠と結びつくホルモンを特定できるか。
しくみから理解する
成長ホルモンは下垂体前葉から拍動的に分泌されるが、入眠後の深いノンレム睡眠(徐波睡眠)の時期に最も大きな分泌が起こる。成長ホルモンは肝臓でインスリン様成長因子(IGF-1)の産生を促し、骨端軟骨に働いて骨の伸長をもたらすほか、蛋白同化を促し、脂肪を分解し、血糖を上げる。小児では成長そのものに、成人でも組織の修復と代謝の調節に関わる。したがって睡眠不足は成長と回復の両方に影響する。日内変動をもつホルモンは他にもあり、コルチゾールは早朝に最高・夜間に最低となり、メラトニンは暗くなると松果体から分泌が増える。 【接地元】ガイトン生理学 下垂体ホルモンとその視床下部による調節、三年解剖学総まとめ(内分泌系)
選択肢ごとの確認
副腎髄質から分泌され、ストレスや運動・興奮のときに増える。睡眠中はむしろ減る。
下垂体後葉から放出され、分娩時の子宮収縮と授乳時の射乳反射に関わる。乳頭吸啜刺激で分泌が増えるので、睡眠そのものとは結びつかない。
深いノンレム睡眠時に分泌が最大になる。
基礎代謝を一定に保つよう比較的安定して分泌される。睡眠に伴う大きな変動はない。
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混同しやすいポイント
「睡眠のホルモン」といえばメラトニンを思い浮かべるが、選択肢にない。メラトニンは睡眠を促す側、成長ホルモンは睡眠中に出る側と、役割の向きが違う。設問は「睡眠中に分泌が増加する」と言っているので、結果として増えるものを選ぶ。
理解を深める
ホルモンの日内変動をまとめると、生活と結びついた出題に強くなる。成長ホルモン=入眠直後の深いノンレム睡眠時に最大。コルチゾール=早朝(起床前)に最高、深夜に最低。メラトニン=暗くなると増え、深夜に最高、光を浴びると抑制される。だから夜勤や不規則な生活はこれらのリズムを乱す。第112回午前 問38と第115回午前 問3で睡眠段階そのものが問われており、この論点と地続きになっている。
間違えやすい考え方
ホルモンを4つ並べて分泌の条件を問う型。「いつ・何で分泌が増えるか」をホルモンごとに1行で言えるようにしておく。
5分で振り返る
成長ホルモン=下垂体前葉・深いノンレム睡眠時に最大分泌。IGF-1を介して骨端軟骨に働き骨を伸ばす。蛋白同化・脂肪分解・血糖上昇。コルチゾール=早朝最高・深夜最低。メラトニン=松果体・暗所で増加、光で抑制。アドレナリン=ストレスと運動で増加。甲状腺ホルモン=比較的一定。
1分チェック
- 睡眠中に分泌が増えるホルモンは何か
- そのホルモンはどの睡眠段階で最も出るか
- コルチゾールの分泌が最も多いのはいつか
- メラトニンの分泌を抑えるものは何か
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