感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉において、 重症急性呼吸器症候群〈Severe Acute Respiratory Syndrome〉〈SARS〉の分類はどれか。
公式正答:2
解説
感染症法において、重症急性呼吸器症候群の分類を問う。二類感染症である。
この問題で問われていること
感染症法の類型を、代表的な疾患とともに覚えているか。
しくみから理解する
重症急性呼吸器症候群は、二類感染症に分類される。二類感染症は、感染力と罹患した場合の重篤性等にもとづく総合的な観点からみた危険性が高い感染症で、①結核、②ジフテリア、③重症急性呼吸器症候群、④中東呼吸器症候群、⑤鳥インフルエンザ(H5N1、H7N9)、⑥急性灰白髄炎の6つになる。対応として、状況に応じた入院、就業制限、そして消毒等の措置が行われる。
選択肢ごとの確認
一類感染症は、危険性が極めて高い感染症になる。エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱の7つ。原則として入院となり、特定感染症指定医療機関または第一種感染症指定医療機関で対応する。
三類感染症は、特定の職業への就業により集団発生を起こしうる感染症になる。コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフスの5つ。入院ではなく、就業制限が中心になる。
四類感染症は、動物、飲食物等を介して人に感染する感染症になる。E型肝炎、A型肝炎、狂犬病、マラリア、デング熱、日本脳炎、つつが虫病、レジオネラ症など。動物への措置と、消毒等が行われる。人から人へは感染しないものが中心になる。
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混同しやすいポイント
類型を、対応の内容と結びつけて覚える。①一類=原則入院(7疾患)、②二類=状況に応じた入院(6疾患)、③三類=就業制限(5疾患)、④四類=動物と物への措置、⑤五類=発生の動向の把握(届出。麻疹、風疹、後天性免疫不全症候群、梅毒、インフルエンザ、感染性胃腸炎など)。加えて、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症、新感染症の区分がある。誤肢は、いずれも別の類型になる。「二類は結核と呼吸器の重症なもの」と覚えると、この設問には対応できる。
理解を深める
感染症法を整理する。目的=感染症の予防と、感染症の患者に対する医療に関し必要な措置を定め、感染症の発生を予防し、まん延の防止を図る。基本的な考え方=患者の人権を尊重しつつ、良質かつ適切な医療の提供を確保する。過去の隔離中心の政策への反省が、前文に明記されている。届出=①一類から四類、そして五類の一部(麻疹、風疹、侵襲性髄膜炎菌感染症など)は、診断後直ちに、最寄りの保健所長を経由して都道府県知事へ届け出る(全数把握)、②五類の多くは7日以内、③五類の一部(インフルエンザ、感染性胃腸炎など)は、指定届出機関からの定点報告になる。措置=①健康診断の勧告と措置、②就業制限(一類、二類、三類、そして新型インフルエンザ等感染症)、③入院の勧告と措置(一類、二類、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症)、④消毒その他の措置、⑤積極的疫学調査。医療機関=特定感染症指定医療機関(新感染症と一類、二類)、第一種感染症指定医療機関(一類、二類)、第二種感染症指定医療機関(二類)、結核病床。結核=二類感染症だが、結核に関する特別の規定が置かれている。①診断した医師は直ちに届け出る、②定期の健康診断(学校、施設、事業所)、③接触者健康診断、④服薬の支援(直接服薬確認療法。服薬を確認しながら治療を完遂する仕組み。耐性菌の出現を防ぐ)、⑤医療費の公費負担。看護=①標準予防策と、経路別の予防策、②患者の心理(隔離、偏見、家族への影響)への配慮、③家族と接触者への対応、④保健所との連携、⑤届出と記録、⑥職員自身の予防(ワクチン、健康管理)。
間違えやすい考え方
分類を問う型で、誤肢が他の類型である。類型と対応の内容の対応で切る。
5分で振り返る
①二類感染症=結核、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群、中東呼吸器症候群、鳥インフルエンザ(H5N1、H7N9)、急性灰白髄炎の6つ。状況に応じた入院と就業制限。②一類=エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱の7つ。原則入院。③三類=コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフスの5つ。就業制限が中心。④四類=動物と飲食物を介するもの(E型肝炎、狂犬病、マラリア、デング熱、日本脳炎、レジオネラ症)。⑤五類=発生の動向の把握(麻疹、風疹、後天性免疫不全症候群、梅毒、インフルエンザ)。⑥感染症法は、患者の人権の尊重を前文に明記している。⑦結核には特別の規定があり、直接服薬確認療法により治療の完遂を支える。
1分チェック
- 重症急性呼吸器症候群は。→ 二類感染症(結核と同じ類型)。
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