膝関節鏡検査の説明として適切なのはどれか。
公式正答:3
解説
膝関節鏡検査の説明として適切なものを問う。「検査後1日は入浴できません」である。
この問題で問われていること
検査の侵襲の程度と、その後の管理を説明できるか。
しくみから理解する
膝関節鏡検査は、関節に小さな切開を加え、内視鏡を挿入して関節内を観察するものになる。皮膚に創ができるため、そこからの感染を防ぐ必要がある。したがって、検査当日から翌日までは入浴を控え、創部を濡らさないようにする。再開の時期は、創の状態により医師が判断する。関節の感染(化膿性関節炎)は、軟骨の破壊と機能の障害を招くため、予防が重要になる。
選択肢ごとの確認
「外来の処置室で行います」は適切でない。関節鏡検査は、無菌操作を要する侵襲的な処置であり、手術室で行われる。麻酔(腰椎麻酔、全身麻酔、または局所麻酔)を用いるため、麻酔の管理も必要になる。
「関節内に空気を入れます」も適切でない。関節腔は生理食塩液などの灌流液で満たして観察する。空気ではない。灌流により視野を確保し、同時に関節内を洗浄する。
「検査後に下肢の麻痺が起こることはありません」も適切でない。合併症として、①神経の損傷(総腓骨神経、伏在神経)、②麻酔に伴う一時的な感覚と運動の障害、③駆血帯(ターニケット)による神経の圧迫、が起こりうる。「起こることはない」と断定することは、事実に反し、また異常が生じたときに患者が申し出にくくなる。
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混同しやすいポイント
誤肢は、①場所、②灌流液、③合併症の否定の3点になる。とくに③は、「絶対にない」という断定であり、医療の説明としては避けるべき形式になる。合併症は、可能性と頻度、そして生じた場合の対応を伝える。「まれですが、しびれや動かしにくさが出ることがあります。その場合はすぐにお知らせください」という形が適切になる。
理解を深める
関節鏡を整理する。目的=①診断(半月板損傷、靱帯損傷、軟骨の損傷、滑膜の病変)、②治療(半月板の切除と縫合、靱帯の再建、遊離体の摘出、滑膜の切除、軟骨の処置)。利点=①切開が小さく、侵襲が少ない、②回復が速い、③入院期間が短い、④直接観察できるため診断の精度が高い。合併症=①感染(化膿性関節炎)、②出血と関節血腫、③神経と血管の損傷、④深部静脈血栓症と肺塞栓症、⑤関節の拘縮、⑥駆血帯による障害、⑦麻酔に伴うもの。看護=①検査前=説明と同意、絶食、剃毛(必要な場合はクリッパーを用いる。かみそりは皮膚を傷つけ感染の危険を高める)、除去する物の確認、排泄、②検査中=体位、保温、無菌操作の介助、③検査後=バイタルサイン、疼痛、出血、腫脹、末梢の循環と神経(足背動脈の拍動、足趾の色と温度、感覚、運動)、悪心と嘔吐、麻酔からの回復、④安静度と荷重の指示の確認、⑤アイシングと挙上(腫脹と疼痛の軽減)、⑥深部静脈血栓症の予防(足関節の運動、早期離床)、⑦創部の管理(当日から翌日は入浴を避ける。医師の許可を得てから再開)、⑧退院指導(創部の観察、感染の徴候=発赤、腫脹、熱感、疼痛の増強、発熱があれば受診、荷重と運動の範囲、リハビリテーション、次回の受診)。膝の疾患=変形性膝関節症、半月板損傷、前十字靱帯損傷、内側側副靱帯損傷、関節リウマチ、化膿性関節炎、痛風と偽痛風。それぞれの症状と検査の所見を押さえておく。
間違えやすい考え方
説明の正誤を問う型で、誤肢が場所・方法・合併症の否定である。侵襲がある処置という前提で切る。
5分で振り返る
①膝関節鏡検査では皮膚に創ができるため、当日から翌日は入浴を控え、創部を濡らさない。②関節の感染(化膿性関節炎)は軟骨の破壊と機能障害を招くため、予防が重要。③無菌操作を要する侵襲的な処置であり、手術室で行う。外来の処置室ではない。④関節腔は生理食塩液などの灌流液で満たして観察する。空気ではない。⑤合併症として、神経の損傷、麻酔に伴う一時的な障害、駆血帯による圧迫が起こりうる。「起こることはない」と断定しない。⑥術後の観察=バイタルサイン、疼痛、出血、腫脹、末梢の循環と神経(足背動脈、足趾の色と温度、感覚、運動)。⑦アイシングと挙上で腫脹と疼痛を軽減する。⑧退院指導=感染の徴候(発赤、腫脹、熱感、疼痛の増強、発熱)があれば受診する。
1分チェック
- 膝関節鏡検査の後は。→ 1日は入浴を避ける(感染の予防)。
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