高齢者の自立度を手段的日常生活動作〈IADL〉尺度を用いて評価した。 この尺度にある項目はどれか。
公式正答:2
解説
手段的日常生活動作の尺度にある項目を問う。自分の服薬管理である。
この問題で問われていること
基本的な日常生活動作と、手段的日常生活動作を区別できるか。
しくみから理解する
日常生活動作は、①基本的日常生活動作(食事、排泄、更衣、整容、入浴、移乗、移動、階段昇降といった、生活の基本になる動作)と、②手段的日常生活動作(電話の使用、買い物、食事の準備、家事、洗濯、移動手段の利用、服薬の管理、金銭の管理といった、より複雑で、社会生活を営むために必要な動作)に分けられる。服薬の管理は、薬を理解し、時間を守り、量を計り、そして継続するという複合的な能力を要するため、手段的日常生活動作に含まれる。
選択肢ごとの確認
コミュニケーションは、機能的自立度評価法(基本的日常生活動作を評価する尺度の一つ)の認知項目に含まれるもので、手段的日常生活動作の尺度の項目ではない。
トイレ動作は基本的日常生活動作になる。
階段昇降も基本的日常生活動作になる。
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混同しやすいポイント
2つを、「生活の基本か、社会生活のために必要か」で分ける。手段的日常生活動作の8項目(ロートンの尺度)=①電話の使用、②買い物、③食事の準備、④家事、⑤洗濯、⑥移動手段の利用(交通機関)、⑦服薬の管理、⑧金銭の管理になる。男性では、食事の準備、家事、洗濯の3項目を除いて5項目で評価する版もある。誤肢は、いずれも基本的日常生活動作、または別の尺度の項目になる。
理解を深める
高齢者の生活機能の評価を整理する。尺度=①バーセルインデックス(基本的日常生活動作。10項目、100点満点)、②機能的自立度評価法(運動13項目と認知5項目の計18項目。各7段階。介助の量を評価できる)、③ロートンの手段的日常生活動作尺度(8項目)、④老研式活動能力指標(手段的自立、知的能動性、社会的役割の13項目。日本で開発された)、⑤障害高齢者の日常生活自立度判定基準(寝たきり度。J、A、B、Cの4段階)、⑥認知症高齢者の日常生活自立度判定基準(Ⅰ、Ⅱa、Ⅱb、Ⅲa、Ⅲb、Ⅳ、Mの7段階)、⑦基本チェックリスト(25項目。介護予防の対象者を把握する)。評価の意義=①その人が「できること」と「できないこと」を明らかにする、②必要な支援の内容と量を決める、③経過を追い、変化を捉える、④多職種で共有する、⑤介護保険の認定と、サービスの計画に用いる。評価の際の注意=①「できる」能力と「している」活動は異なる(訓練室では歩けるが、病棟では車椅子を使っている、など)。両方を把握する。②環境により変わる(自宅と病院では違う)。③日内と日による変動がある(パーキンソン病、認知症)。④本人と家族の申告と、実際の観察が食い違うことがある。⑤できないことだけを並べず、できることに目を向ける。手段的日常生活動作が低下する時期=基本的日常生活動作より早く低下するため、変化に早く気づく手がかりになる。とくに、服薬の管理と金銭の管理の乱れは、認知機能の低下の初期の徴候として現れることが多い。「薬が余っている」「同じ物を何度も買う」「支払いが滞る」といった変化に注意する。
間違えやすい考え方
尺度の項目を問う型で、誤肢が基本的日常生活動作の項目である。生活の基本か社会生活のためかで切る。
5分で振り返る
①基本的日常生活動作=食事、排泄、更衣、整容、入浴、移乗、移動、階段昇降。②手段的日常生活動作(ロートンの8項目)=電話の使用、買い物、食事の準備、家事、洗濯、移動手段の利用、服薬の管理、金銭の管理。③服薬の管理は、理解、時間、量、継続という複合的な能力を要するため手段的に含まれる。④コミュニケーションは機能的自立度評価法の認知項目。⑤手段的日常生活動作は、基本的日常生活動作より早く低下するため、変化に早く気づく手がかりになる。⑥とくに服薬と金銭の管理の乱れは、認知機能の低下の初期の徴候として現れる。⑦「できる」能力と「している」活動は異なる。両方を把握する。⑧障害高齢者の日常生活自立度はJ・A・B・Cの4段階、認知症高齢者はⅠ〜Ⅳ、Mの7段階。
1分チェック
- 手段的日常生活動作とは。→ 電話、買い物、食事の準備、家事、洗濯、交通機関、服薬管理、金銭管理。
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