乳幼児身体発育調査による、身体発育曲線のパーセンタイル値で正しいのはどれ か。
公式正答:1
解説
乳幼児身体発育調査による身体発育曲線のパーセンタイル値で正しいものを問う。3パーセンタイル未満の児は要精密検査となる、である。
この問題で問われていること
パーセンタイル値が何を表すかを正確に理解しているか。
しくみから理解する
パーセンタイル値は、同じ年齢と性別の集団を、小さい順に100人並べたときに、その子が何番目にあたるかを示す。3パーセンタイル未満は、100人中3番目より小さいことを意味し、発育の遅れが疑われるため、要精密検査となる。同様に、97パーセンタイルを超える場合も精査の対象になる。3から97パーセンタイルの間が、正常の範囲とされる。
選択肢ごとの確認
50パーセンタイルは、平均値ではなく中央値になる。100人並べたときのちょうど真ん中の値であり、平均値とは異なる概念になる。分布が左右対称であれば近い値になるが、同じではない。
10パーセンタイルは、「平均より10%小さい」という意味ではない。100人中10番目に小さいことを示す、順位の指標になる。パーセンタイルは順位、パーセントは割合であり、混同しやすい。
75パーセンタイル以上90パーセンタイル未満は、正常の範囲内であり、要経過観察ではない。この範囲は、平均よりやや大きい程度になる。
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混同しやすいポイント
パーセンタイル値は「順位」を表すという一点を押さえる。誤肢は、①平均値との混同、②割合との混同、③正常範囲の誤りになる。加えて、最も重要なのは、1点の値ではなく、成長曲線に沿って伸びているかという「動き」になる。3パーセンタイル付近でも、曲線に沿って順調に伸びていれば、その子なりの成長として問題ないことが多い。逆に、50パーセンタイルにいても、曲線を横切って下降していれば、精査を要する。
理解を深める
発育の評価を整理する。乳幼児身体発育調査=厚生労働省が10年ごとに実施する。身長、体重、頭囲、胸囲、そして運動と言語の発達の状況を調べ、その結果が母子健康手帳の発育曲線の基になる。指標=①パーセンタイル値(3、10、25、50、75、90、97)、②標準偏差(エスディー)による評価(-2エスディー以下で低身長の精査を検討する)、③カウプ指数(乳幼児)、④ローレル指数と肥満度(学童以降)、⑤成長曲線(縦断的に追う)。評価の原則=①1点の値より曲線の動き、②身長と体重の両方を見る(身長は伸びているが体重が増えない=栄養、体重は増えているが身長が伸びない=内分泌)、③頭囲も測る(水頭症、小頭症)、④その子の遺伝的な背景(両親の身長)、⑤出生時の状況(在胎週数、出生体重)。発育の遅れを疑う場合=①成長曲線から下方へ外れていく、②3パーセンタイル未満、③身長が-2エスディー以下、④体重増加の不良、⑤頭囲の異常。原因=栄養の不足(摂取量、吸収の障害)、慢性疾患、内分泌の異常(成長ホルモン分泌不全、甲状腺機能低下症)、染色体の異常、骨系統の疾患、そして虐待とネグレクト。看護=①正しい測定(乳児は仰臥位で身長、体重は着衣を差し引く、頭囲は後頭結節と眉間を通る周囲)、②成長曲線への記入と、保護者への説明、③保護者の不安への配慮(「小さい」と言われることは、保護者を強く不安にさせる。数値だけでなく、その子の経過と、元気に過ごせているかを合わせて伝える)、④栄養と育児の相談、⑤必要な場合の受診の勧め、⑥虐待の可能性への注意(体重増加不良と、受診の中断が手がかりになることがある)。
間違えやすい考え方
指標の読み方を問う型で、誤肢が平均値・割合との混同と範囲の誤りである。順位を表すという一点で切る。
5分で振り返る
①パーセンタイル値は、同じ年齢と性別の集団を小さい順に100人並べたときの順位を示す。②3パーセンタイル未満は要精密検査。97パーセンタイルを超える場合も精査の対象。3〜97が正常の範囲。③50パーセンタイルは平均値ではなく中央値。④10パーセンタイルは「平均より10%小さい」ではなく、100人中10番目に小さいという順位。⑤75以上90未満は正常の範囲内で、要経過観察ではない。⑥最も重要なのは1点の値ではなく、成長曲線に沿って伸びているかという動き。曲線を横切って下降すれば、50パーセンタイルにいても精査を要する。⑦身長と体重の両方、そして頭囲も見る。⑧体重増加不良と受診の中断は、虐待の手がかりになることがある。
1分チェック
- パーセンタイル値は。→ 順位(3未満と97超で精査、50は中央値)。
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