早期新生児の生理的黄疸で正しいのはどれか。
公式正答:3
解説
早期新生児の生理的黄疸で正しいものを問う。生後4、5日でピークとなる、である。
この問題で問われていること
生理的黄疸の経過と、病的黄疸との区別を押さえているか。
しくみから理解する
生理的黄疸は、生後2〜3日頃に現れ、生後4〜5日でピークとなり、7〜10日頃までに軽減する。機序は、①胎児期の赤血球(胎児ヘモグロビンを含む)の寿命が短く、出生後に大量に壊れる、②肝の酵素(グルクロン酸転移酵素)の働きが未熟で、ビリルビンの抱合が追いつかない、③腸肝循環が亢進している(腸内細菌叢が未熟で、便からの排泄が少ない)、という3つになる。
選択肢ごとの確認
生後24時間以内に出現し始めるのは、病的黄疸になる。早発黄疸といい、血液型不適合による溶血(母児間のABO式またはRh式の不適合)、そして先天性の溶血性疾患を疑い、直ちに評価する。生理的黄疸は、生後24時間以内には現れない。
皮膚の黄染は、腹部からではなく顔面(頭部)から始まる。ビリルビンの上昇に伴って、頭部→顔面→胸腹部→大腿→下腿→手掌と足底、という順に広がる(クラマーの法則)。したがって、黄染がどこまで及んでいるかが、程度の目安になる。手掌と足底まで及ぶ場合は、値が高いと考えられる。
便が灰白色になるのは、胆道閉鎖症などの閉塞性黄疸になる。生理的黄疸では、便の色は正常(黄色から緑色)になる。灰白色便は、胆汁が腸へ流れていないことを示す重要な所見であり、母子健康手帳の便色カードで確認する。
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混同しやすいポイント
生理的黄疸と病的黄疸を、4点で区別する。①出現の時期=生理的は生後2〜3日、病的は24時間以内(早発黄疸)。②値の上昇の速さ=病的では急速。③持続=生理的は7〜10日で軽減、2週間を超えて続くもの(遷延性黄疸)は精査を要する。④直接ビリルビンの上昇=病的(胆道閉鎖症、新生児肝炎)。誤肢は、いずれも病的黄疸の所見になる。加えて、灰白色便は胆道閉鎖症を示す最も重要な所見になる。
理解を深める
新生児の黄疸を整理する。ビリルビンの代謝=赤血球が壊れてヘモグロビンからビリルビンができる(間接ビリルビン。脂溶性で、アルブミンと結合して運ばれる)。肝でグルクロン酸抱合を受けて直接ビリルビンになり(水溶性)、胆汁として腸へ排泄される。新生児では、この抱合の働きが未熟なため、間接ビリルビンが増える。核黄疸(ビリルビン脳症)=間接ビリルビンが高値になると、血液脳関門を越えて脳(とくに大脳基底核)へ沈着し、不可逆の障害を残す。①初期=哺乳力の低下、筋緊張の低下、嗜眠、②進行=甲高い泣き声、後弓反張、痙攣、発熱、③後遺症=アテトーゼ型脳性麻痺、難聴、眼球運動の障害、歯のエナメル質の形成不全。危険因子=早産、低出生体重、溶血、低アルブミン血症、アシドーシス、低体温、低血糖、感染、そして特定の薬剤(アルブミンとの結合を競合する)。治療=①光線療法(青色から緑色の光により、間接ビリルビンを水溶性の異性体に変え、胆汁と尿へ排泄させる。目を遮光し、体位を変え、水分と体温を管理する)、②交換輸血(重症例)、③原因への対応。母乳性黄疸=母乳栄養児で、生後1〜2週以降も黄疸が続くもの。母乳を続けてよいとされるが、他の原因(とくに胆道閉鎖症)を除外することが重要になる。看護=①黄疸の観察(部位と程度。自然光の下で、皮膚を軽く押して確認する)、②経皮ビリルビン測定と、血清ビリルビンの値、③哺乳の状況(哺乳が不足すると、脱水と腸肝循環の亢進により黄疸が強まる。頻回の授乳を促す)、④排泄(便の回数と色)、⑤活気、筋緊張、啼泣、⑥体重、⑦光線療法中の管理、⑧家族への説明(黄疸は多くが生理的なものであること、しかし観察が必要であること、そして受診の目安)。
間違えやすい考え方
経過を問う型で、誤肢がすべて病的黄疸の所見である。生理的黄疸の時期と広がり方で切る。
5分で振り返る
①生理的黄疸は、生後2〜3日に現れ、4〜5日でピーク、7〜10日で軽減する。②機序=胎児期の赤血球の寿命が短く出生後に大量に壊れる、肝の抱合の働きが未熟、腸肝循環の亢進。③生後24時間以内の出現は早発黄疸で病的。血液型不適合による溶血を疑う。④黄染は頭部・顔面から始まり、胸腹部、大腿、下腿、手掌と足底の順に広がる(クラマーの法則)。腹部からではない。⑤灰白色便は胆道閉鎖症を示す重要な所見。生理的黄疸では便の色は正常。⑥2週間を超えて続く黄疸(遷延性)は精査を要する。⑦核黄疸=間接ビリルビンが脳へ沈着し不可逆の障害を残す。哺乳力の低下、筋緊張の低下、嗜眠から、甲高い泣き声、後弓反張へ。⑧哺乳の不足は黄疸を強めるため、頻回の授乳を促す。
1分チェック
- 生理的黄疸は。→ 生後2〜3日に出現、4〜5日でピーク、7〜10日で軽減。
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