選択的セロトニン再取り込み阻害薬〈SSRI〉で正しいのはどれか。
公式正答:1
解説
選択的セロトニン再取り込み阻害薬について正しいものを問う。パニック障害に対して有効である、である。
この問題で問われていること
この薬の適応と、使用上の注意を押さえているか。
しくみから理解する
選択的セロトニン再取り込み阻害薬は、シナプス間隙のセロトニンの再取り込みを選択的に阻害し、セロトニンの働きを高める。うつ病だけでなく、パニック障害、社交不安障害、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、そして全般性不安障害に対しても有効であり、これらの不安に関わる疾患の第一選択薬になっている。パニック障害では、発作の頻度を減らし、予期不安と広場恐怖の改善にも寄与する。
選択肢ごとの確認
抗コリン作用は三環系抗うつ薬よりも弱い。三環系抗うつ薬は、セロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害する一方、抗コリン作用、抗ヒスタミン作用、そして抗アドレナリン作用も持つため、口渇、便秘、尿閉、眼圧の上昇、眠気、起立性低血圧、そして過量投与時の心毒性といった副作用が問題になる。選択的セロトニン再取り込み阻害薬は、これらの受容体への作用が少ないため、副作用が軽く、安全性が高い。
うつ症状が改善したら使用をすぐに中止することは誤りになる。改善した後も、再発を防ぐために、6か月以上(一般に6か月から1年)継続することが推奨される。加えて、中止する場合も、急にやめると中断症状(めまい、悪心、しびれ、不安、不眠、いらだち)が現れるため、医師の指示のもとで段階的に減らす。
抗うつ効果の評価を使用開始後3日以内に行うことも誤りになる。効果が現れるまでには通常2〜4週間かかる。したがって、少なくとも2〜4週間は継続して評価する。副作用は先に現れ、効果は後から現れるため、この時期に「効かない」と感じて中断しやすい。あらかじめこのことを伝えておくことが、継続の支援になる。
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混同しやすいポイント
誤肢は、①副作用の比較、②継続期間、③効果の評価の時期という3点を誤っている。この薬に関する4つの要点を押さえる。①適応=うつ病と、不安に関わる疾患群、②副作用=三環系より軽いが、消化器症状(悪心、下痢。開始時に多く、多くは1〜2週間で軽快)、性機能の障害、そしてセロトニン症候群、③効果までに2〜4週間、④改善後も6か月以上継続し、中止は段階的に。
理解を深める
抗うつ薬を整理する。種類=①選択的セロトニン再取り込み阻害薬、②セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬、③ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬、④三環系と四環系抗うつ薬、⑤その他。現在は、副作用の少なさから、選択的セロトニン再取り込み阻害薬などの新しい薬が第一選択になる。副作用=①消化器症状(悪心、嘔吐、下痢。開始時に多い)、②性機能の障害、③体重の変化、④不眠または眠気、⑤中断症状、⑥低ナトリウム血症(高齢者で注意)、⑦出血傾向(血小板のセロトニンの取り込みを阻害するため。非ステロイド性抗炎症薬と抗凝固薬との併用に注意)、⑧セロトニン症候群(複数のセロトニン作動薬の併用、または過量により生じる。精神症状=不穏、興奮、錯乱。神経筋症状=振戦、ミオクローヌス、反射の亢進。自律神経症状=発熱、発汗、頻脈、下痢。原因薬剤の中止と全身管理を要する)、⑨賦活症候群(開始時と増量時に、不安、焦燥、いらだち、そして衝動性が高まる。とくに24歳以下では自殺関連の行動が増える可能性が指摘されており、開始後の観察が重要になる)。看護=①効果が現れるまでの時間を説明する、②副作用の説明と観察、③開始時と増量時の観察(賦活症候群、自殺の危険)、④自己判断で中止しないことを伝える、⑤他の薬との相互作用の確認、⑥服薬を続けられるよう支える、⑦うつ病そのものへの関わり(励まさない、決断を迫らない、休息を保障する、自殺の危険を評価する、回復の見通しを伝える)。
間違えやすい考え方
薬の正誤を問う型で、誤肢が副作用・継続期間・評価の時期を誤る。4つの要点で切る。
5分で振り返る
①選択的セロトニン再取り込み阻害薬は、うつ病だけでなく、パニック障害、社交不安障害、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、全般性不安障害にも有効で、これらの第一選択薬になる。②抗コリン作用は三環系抗うつ薬より弱い。三環系では、口渇、便秘、尿閉、眼圧上昇、起立性低血圧、過量時の心毒性が問題になる。③効果が現れるまで2〜4週間かかる。副作用が先に現れるため、この時期に中断しやすい。あらかじめ伝えておく。④改善後も再発予防のため6か月以上継続する。⑤急な中止は中断症状(めまい、悪心、しびれ、不安、不眠)を招く。段階的に減らす。⑥副作用=消化器症状(開始時に多い)、性機能の障害、低ナトリウム血症、出血傾向、セロトニン症候群、賦活症候群。⑦開始時と増量時は、不安と焦燥、そして自殺の危険を観察する。
1分チェック
- この薬は。→ うつ病と不安に関わる疾患に有効。効果は2〜4週間、改善後も6か月以上継続。
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