精神保健指定医について正しいのはどれか。
公式正答:4
解説
精神保健指定医について正しいものを問う。精神科病院入院患者の行動制限にかかわる医学的判定を行う、である。
この問題で問われていること
この資格の根拠法と、職務を押さえているか。
しくみから理解する
精神保健指定医は、精神保健福祉法にもとづき、厚生労働大臣が指定する医師になる。その職務は、患者本人の同意によらない入院と、行動の制限について、医学的な判定を行うことになる。具体的には、①医療保護入院、措置入院、応急入院の要否の判定、②任意入院者の退院制限の要否の判定、③隔離(12時間を超えるもの)と身体的拘束の要否の判定、④定期病状報告に関わる診察、⑤措置入院者の症状消退の判定、になる。これらは、患者の自由を制限する重大な判断であるため、一定の経験と研修を経た医師に限られている。
選択肢ごとの確認
医療法ではなく、精神保健福祉法(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律)で規定されている。
都道府県知事ではなく、厚生労働大臣が指定する。指定の要件は、①5年以上の診断または治療の経験、②3年以上の精神障害の診断または治療の経験、③厚生労働大臣が定める程度の診断または治療の経験(一定数の症例の報告)、④所定の研修の修了になる。5年ごとの研修の受講も求められる。
障害年金の支給判定は行わない。障害年金の認定は、日本年金機構が、医師の診断書などにもとづいて行う。
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混同しやすいポイント
混同しやすいのは、①指定する者(厚生労働大臣であり、都道府県知事ではない)と、②根拠法(精神保健福祉法であり、医療法ではない)になる。加えて、入院の形態ごとに、誰の判断と同意が要るかを整理する。①任意入院=本人の同意(指定医の診察は不要だが、退院を制限する場合は指定医の判定が要る)、②医療保護入院=指定医1名の診察と、家族等の同意、③措置入院=指定医2名以上の診察の一致と、都道府県知事の決定、④緊急措置入院=指定医1名の診察と知事の決定(72時間以内)、⑤応急入院=指定医1名の診察(72時間以内。家族等の同意が得られない場合)。
理解を深める
精神保健福祉法を整理する。入院形態=上記の5つ。医療保護入院=①要件=精神障害者であり、医療と保護のため入院の必要がある者について、精神障害のために任意入院が行われる状態にないと指定医が判定した場合。単に本人が同意を拒んだというだけでは成立しない、②手続き=指定医の診察と、家族等の同意(家族等がいない、または意思を表示できない場合は、市町村長の同意)、③届出=10日以内に都道府県知事へ、④期間=入院の期間が定められ、更新には要件がある、⑤退院後生活環境相談員の選任と、地域援助事業者の紹介、そして退院支援委員会の開催が求められる。措置入院=①要件=精神障害者であり、医療と保護のため入院させなければ、自身を傷つけ、または他人に害を及ぼすおそれがある場合、②手続き=2名以上の指定医の診察の結果が一致し、都道府県知事が決定する、③申請と通報=一般人の申請、警察官の通報、検察官の通報、保護観察所長の通報、矯正施設長の通報。処遇=①行動の制限は、必要最小限にとどめる、②いかなる場合も制限できないもの=信書の発受、人権擁護に関する行政機関の職員および代理人である弁護士との電話と面会、退院と処遇改善の請求、③隔離は12時間を超える場合に指定医の判定、④身体的拘束は時間を問わず指定医の判定。精神医療審査会=都道府県に設置され、入院の必要性と処遇の妥当性を審査する。看護師の役割=①入院形態と、それに伴う権利を理解し、患者へ説明する、②行動制限が必要最小限にとどまるよう、日々の状態を評価して医師と共有する、③制限の解除に向けた働きかけ、④記録、⑤患者の権利が守られているかを見る立場に立つ。
間違えやすい考え方
職務と根拠を問う型で、誤肢が根拠法・指定者・職務を誤る。厚生労働大臣が指定するという点で切る。
5分で振り返る
①精神保健指定医は、精神保健福祉法にもとづき厚生労働大臣が指定する。医療法ではなく、都道府県知事でもない。②職務=医療保護入院・措置入院・応急入院の要否の判定、任意入院者の退院制限の判定、12時間を超える隔離と身体的拘束の要否の判定、措置入院者の症状消退の判定。③指定の要件=5年以上の診療経験、3年以上の精神科の経験、症例の報告、研修の修了。5年ごとの研修も要する。④障害年金の認定は日本年金機構が行う。⑤入院形態=任意入院(本人の同意)、医療保護入院(指定医1名+家族等の同意)、措置入院(指定医2名以上の一致+知事の決定)、緊急措置入院と応急入院(72時間以内)。⑥身体的拘束は時間を問わず指定医の判定を要する。
1分チェック
- 精神保健指定医は。→ 厚生労働大臣が指定し、行動制限の医学的判定を行う。
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