A さん(83 歳、女性)は、1人暮らし。誤嚥性肺炎〈aspiration pneumonia〉で入 退院を繰り返していた。今回の退院後に、訪問看護が導入されることになり、退院前カンファレンスが行わ れた。 誤嚥性肺炎〈aspiration pneumonia〉の再発を予防するために病棟看護師が訪問看護師に情報提供する内容 で優先されるのはどれか。
公式正答:1
解説
誤嚥性肺炎で入退院を繰り返していた83歳女性について、再発を予防するために病棟看護師が訪問看護師へ提供する情報で優先されるものを問う。嚥下機能検査の判定結果である。
この問題で問われていること
再発の予防に直結する情報を選べるか。
しくみから理解する
誤嚥性肺炎を繰り返す原因の中心は、嚥下の機能の低下になる。したがって、①どの段階に障害があるか、②どの程度の障害か、③どのような食事の形態と姿勢であれば安全か、④どのような場面で誤嚥しやすいか、という情報が、在宅での予防に直結する。嚥下機能検査(嚥下造影検査、嚥下内視鏡検査)の判定結果は、これらを具体的に示すため、最も優先して共有すべき情報になる。
選択肢ごとの確認
栄養状態を示す検査データも重要だが、再発の予防に直接結びつく情報としては、嚥下機能の評価に劣る。低栄養は嚥下の筋力を落とし、免疫も下げるため、間接的には関わる。
入院中の日常生活動作も、在宅での生活を組み立てるうえで必要な情報になるが、誤嚥性肺炎の予防という目的に対しては、嚥下機能ほど直接的ではない。
治療に用いられた薬剤も、次に感染した際の参考になるが、予防には直結しない。
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混同しやすいポイント
「何を予防するために、どの情報が要るか」という問いに立ち返る。誤嚥性肺炎の予防であれば、嚥下の機能になる。誤肢は、いずれも在宅の看護に有用な情報だが、この目的に対しては優先度が下がる。加えて、退院前カンファレンスでは、限られた時間で要点を共有するため、目的を明確にして情報を選ぶことが求められる。
理解を深める
誤嚥性肺炎の予防を整理する。要因=①嚥下機能の低下(脳血管疾患、パーキンソン病、認知症、加齢、廃用)、②口腔内の細菌(口腔の不衛生が最大の要因の一つ)、③咳反射の低下(不顕性誤嚥)、④胃食道逆流、⑤全身状態(低栄養、脱水、免疫の低下)、⑥薬剤(鎮静薬、抗精神病薬、抗コリン薬)、⑦姿勢(食事中と食後)。予防=①口腔ケア(食前と食後。誤嚥性肺炎の予防として最も効果が示されている)、②食事の形態(嚥下調整食の分類にもとづき、その人に合った形態を選ぶ。とろみの濃度も含めて)、③姿勢(体幹の角度、頸部の軽い前屈、足底を床につける、食後30分から1時間は座位を保つ)、④一口量と速さ、⑤食事の環境(集中できるように)、⑥嚥下体操と間接訓練、⑦栄養状態の改善、⑧脱水の予防、⑨薬剤の見直し、⑩ワクチン(肺炎球菌、インフルエンザ)、⑪禁煙、⑫離床と活動。在宅での連携=①病棟看護師から訪問看護師へ=嚥下機能の評価、安全な食事の形態と姿勢、実際の摂取の状況、口腔の状態、痰と吸引の必要性、本人と家族の理解と実施の状況、②訪問看護師から病棟看護師へ=在宅での生活の実際、家族の介護力、家屋の状況、利用しているサービス。退院前カンファレンスの参加者=本人と家族、病棟看護師、医師、退院支援に関わる看護師、訪問看護師、介護支援専門員、理学療法士と言語聴覚士、管理栄養士、薬剤師、そして地域の事業所。目的=①在宅での生活を具体的に描く、②必要な支援を確認し役割を分担する、③本人と家族の希望と不安を共有する、④緊急時の対応を決める、⑤サービスの開始を調整する。看護師の役割=入院中に得た情報のうち、在宅で必要なものを選んで伝えること。すべてを伝えるのではなく、目的に沿って要点を絞る。
間違えやすい考え方
情報の優先度を問う型で、誤肢が有用だが目的に直結しないものである。何を予防するかで切る。
5分で振り返る
①誤嚥性肺炎を繰り返す原因の中心は嚥下機能の低下。②嚥下機能検査(嚥下造影、嚥下内視鏡)の結果は、どの段階にどの程度の障害があり、どの形態と姿勢なら安全かを具体的に示す。③栄養状態、日常生活動作、使用した薬剤も有用だが、予防への直結度は下がる。④誤嚥性肺炎の要因=嚥下機能の低下、口腔内の細菌、咳反射の低下(不顕性誤嚥)、胃食道逆流、低栄養、薬剤、姿勢。⑤口腔ケアは、誤嚥性肺炎の予防として最も効果が示されている。食前と食後に行う。⑥食後30分から1時間は座位を保つ。⑦ワクチン(肺炎球菌、インフルエンザ)も予防になる。⑧退院前カンファレンスでは、目的に沿って要点を絞って伝える。
1分チェック
- 誤嚥性肺炎の予防に優先する情報は。→ 嚥下機能検査の判定結果。
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