夜勤帯に、A 看護師がスタッフステーションで抗菌薬の点滴静脈内注射を準備 しているときに、発汗した患者から寝衣交換の依頼があり、別の患者から口渇で飲 水したいという希望があった。直後に患者に装着されている人工呼吸器のアラーム が鳴った。他の看護師は別の病室で重症者のケアをしている。 A 看護師が最も優先すべきなのはどれか。
公式正答:4
解説
夜勤帯に、点滴の準備中、寝衣交換の依頼、飲水の希望、そして人工呼吸器のアラームが重なった際に、最も優先すべきものを問う。人工呼吸器を装着している患者の観察である。
この問題で問われていること
生命に直結する事態を見分けられるか。
しくみから理解する
人工呼吸器のアラームは、①回路の外れと接続の不良、②気管チューブの閉塞と位置のずれ、③気道内圧の上昇(分泌物、屈曲、患者の状態の変化)、④換気量の低下、⑤電源とガスの供給の問題、といった、直ちに生命に関わる事態を示している可能性がある。呼吸が止まれば数分で不可逆の障害が生じるため、他のどの対応よりも優先して確認する。アラームを消すのではなく、患者のもとへ行き、患者の状態と機器の両方を確認することが原則になる。
選択肢ごとの確認
点滴静脈内注射の準備は、中断できる。準備の途中であっても、いったん安全な状態にして(薬剤を安全な場所に置き、混同を防ぐ)、患者のもとへ向かう。
発汗した患者の寝衣交換は、不快の緩和として必要だが、緊急性はない。「すぐに伺います」と伝え、後で対応する。
飲水を希望する患者への対応も、同様に緊急性はない。ただし、口渇の訴えが、脱水や高血糖といった状態の変化を示している可能性もあるため、後で必ず確認する。
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混同しやすいポイント
優先順位は、①生命に関わるか、②直ちに対応しなければ悪化するか、③苦痛の程度、④待てる時間、で判断する。人工呼吸器のアラームは①に当たる。誤肢は、いずれも待つことができる。加えて、この場面で重要なのは、①待ってもらう患者に、そのことを伝える(無視しない)、②他の看護師の応援を求める、③後で必ず戻る、という点になる。優先順位をつけることは、他を切り捨てることではない。
理解を深める
業務の優先順位を整理する。判断の基準=①生命の危険(気道、呼吸、循環、意識)、②急速に悪化する可能性、③苦痛の強さ、④時間の制約(決められた時刻に行う処置、検査の予定)、⑤安全(転倒、転落、自己抜去の危険)、⑥他者への影響、⑦準備と移動の効率。夜勤帯の特徴=①人員が少ない、②応援を得にくい、③患者は眠っており、変化に気づきにくい、④暗く、観察しにくい、⑤転倒と転落が起こりやすい、⑥せん妄が生じやすい、⑦看護師自身の疲労と判断力の低下。対応=①勤務の開始時に、重症度と、その勤務帯で行うことを把握する、②見通しを立てる(いつ何をするか、何が起こりうるか)、③危険の高い患者を優先して見回る、④一人で抱えず、応援を求める、⑤判断に迷ったら報告する、⑥記録を残す。人工呼吸器のアラームへの対応=①まず患者のもとへ行き、患者の状態(呼吸、胸郭の動き、顔色、酸素飽和度、意識)を確認する、②回路の接続、屈曲、水の貯留を確認する、③気道の閉塞(分泌物)を疑えば吸引する、④原因が特定できず、患者の状態が悪ければ、直ちに用手換気(バッグバルブマスク)へ切り替え、応援を呼ぶ、⑤アラームを消すだけの操作をしない、⑥アラームの設定を勝手に変えない、⑦原因と対応を記録する。人工呼吸器を装着している患者では、①回路の点検、②加温加湿、③カフ圧、④固定と位置、⑤口腔ケア、⑥体位変換、⑦鎮静の程度、⑧コミュニケーションの手段、⑨合併症(人工呼吸器関連肺炎、気胸、無気肺、皮膚障害)の予防が、日常の管理になる。
間違えやすい考え方
優先度を問う型で、誤肢がすべて待てるものである。生命に直結するかで切る。
5分で振り返る
①人工呼吸器のアラームは、回路の外れ、気管チューブの閉塞と位置のずれ、気道内圧の上昇、換気量の低下、電源とガスの問題といった、直ちに生命に関わる事態を示しうる。②呼吸が止まれば数分で不可逆の障害が生じるため、最優先で確認する。③アラームを消すのではなく、患者のもとへ行き、患者の状態と機器の両方を確認する。④点滴の準備は中断でき、寝衣交換と飲水は待てる。ただし、待ってもらう患者にそのことを伝え、後で必ず戻る。⑤優先順位=生命の危険、急速な悪化、苦痛の強さ、時間の制約、安全。⑥原因が特定できず状態が悪ければ、直ちに用手換気へ切り替え応援を呼ぶ。⑦アラームの設定を勝手に変えない。⑧夜勤帯は人員が少なく、応援を得にくい。見通しを立て、一人で抱えない。
1分チェック
- 人工呼吸器のアラームが鳴ったら。→ 最優先で患者のもとへ行き、患者と機器を確認する。
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