抗原によって感作されたT リンパ球による細胞性免疫が主体となるのはどれか。
公式正答:3
解説
抗原によって感作されたTリンパ球による細胞性免疫が主体となるものを問う。ツベルクリン反応である。
この問題で問われていること
アレルギーの型を、関与する免疫の機序で分けられるか。
しくみから理解する
ツベルクリン反応は、Ⅳ型(遅延型)アレルギーになる。結核菌の成分を皮内に注射し、感作されたTリンパ球が反応して、48時間後に発赤と硬結が生じるかを見る。抗体ではなくT細胞が主体であるため、反応の出現に時間がかかる(遅延型と呼ばれる理由)。同じⅣ型には、接触皮膚炎、移植の拒絶反応、そして一部の薬疹が含まれる。
選択肢ごとの確認
花粉症はⅠ型(即時型)アレルギーになる。免疫グロブリンEと肥満細胞が関与し、抗原に触れて数分から数十分で症状が現れる。
蕁麻疹もⅠ型が中心になる(食物、薬剤、物理的な刺激などによる)。
アナフィラキシーショックもⅠ型になる。免疫グロブリンEを介した反応により、全身の血管が拡張し、透過性が亢進して、血圧が低下する。
インフルエンザの予防接種は、液性免疫(抗体産生)を誘導することを目的とする。不活化ワクチンにより、Bリンパ球が抗体を作り、次の感染に備える。細胞性免疫が主体ではない。
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混同しやすいポイント
アレルギーの4型を、関与するものと時間で整理する。①Ⅰ型(即時型)=免疫グロブリンE、肥満細胞。数分から数十分。アナフィラキシー、気管支喘息、花粉症、蕁麻疹、食物アレルギー。②Ⅱ型(細胞傷害型)=免疫グロブリンGとM、補体。自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、不適合輸血、重症筋無力症、バセドウ病(刺激型)。③Ⅲ型(免疫複合体型)=抗原抗体複合体の組織への沈着。全身性エリテマトーデス、糸球体腎炎、血清病、過敏性肺炎。④Ⅳ型(遅延型)=T細胞。24〜72時間。ツベルクリン反応、接触皮膚炎、移植の拒絶反応。誤肢は、Ⅰ型3つと、液性免疫を誘導するもの1つになる。
理解を深める
免疫を整理する。自然免疫=生まれつき備わり、素早く働く。①物理的・化学的なバリア(皮膚、粘膜、線毛、胃酸、リゾチーム)、②細胞(好中球、マクロファージ、樹状細胞、ナチュラルキラー細胞)、③補体、④炎症反応。獲得免疫=抗原を認識して働き、記憶を残す。①液性免疫(Bリンパ球が形質細胞となり抗体を産生する。細菌、毒素、細胞外のウイルスに有効)、②細胞性免疫(Tリンパ球が主体。細胞内寄生菌=結核菌、ウイルス感染細胞、腫瘍細胞、移植片に対して働く)。Tリンパ球の種類=①ヘルパーT細胞(CD4陽性。他の免疫細胞を活性化する司令塔。ヒト免疫不全ウイルスの標的)、②細胞傷害性T細胞(CD8陽性。感染細胞と腫瘍細胞を直接壊す)、③制御性T細胞(過剰な反応を抑える)。抗体(免疫グロブリン)=①IgG(最も多い。胎盤を通過し、新生児を守る。二次応答の主体)、②IgA(分泌液に多い。母乳、唾液、涙、腸液。粘膜を守る)、③IgM(一次応答で最初に作られる。分子が大きく胎盤を通過しない。臍帯血のIgMの上昇は胎内感染を示す)、④IgE(Ⅰ型アレルギーと寄生虫感染)、⑤IgD(機能は未解明の部分が多い)。免疫の記憶=一次応答(初回。IgMが主体で、遅く、弱い)と二次応答(再曝露。IgGが主体で、速く、強い)。ワクチンは、この記憶を人為的に作る。免疫の異常=①アレルギー(過剰な反応)、②自己免疫疾患(自己の成分への反応)、③免疫不全(先天性、後天性=ヒト免疫不全ウイルス感染症、免疫抑制療法、悪性腫瘍、低栄養、高齢)。
間違えやすい考え方
免疫の型を問う型で、誤肢がⅠ型と液性免疫である。T細胞が主体で遅延型かどうかで切る。
5分で振り返る
①ツベルクリン反応はⅣ型(遅延型)アレルギー。感作されたTリンパ球が反応し、48時間後に発赤と硬結を見る。②Ⅳ型には、接触皮膚炎、移植の拒絶反応、一部の薬疹が含まれる。③花粉症、蕁麻疹、アナフィラキシーショックはⅠ型(即時型)。免疫グロブリンEと肥満細胞が関与し、数分から数十分で症状が出る。④インフルエンザの予防接種は液性免疫(抗体産生)を誘導する。⑤Ⅱ型(細胞傷害型)=自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、不適合輸血。⑥Ⅲ型(免疫複合体型)=全身性エリテマトーデス、糸球体腎炎、血清病。⑦細胞性免疫は、細胞内寄生菌(結核菌)、ウイルス感染細胞、腫瘍細胞、移植片に対して働く。⑧IgAは母乳と粘膜を守り、IgGは胎盤を通過して新生児を守る。
1分チェック
- 細胞性免疫が主体なのは。→ ツベルクリン反応(Ⅳ型、遅延型)。
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