血液のpH 調節に関わっているのはどれか。2つ選べ。
公式正答:2・4
解説
体のpHは肺と腎臓の2つの臓器が守っている。肺が二酸化炭素を、腎臓が重炭酸イオンと水素イオンを調節する。
この問題で問われていること
酸塩基平衡の調節機構を、緩衝系・呼吸性調節・腎性調節の3層で理解できているか。
しくみから理解する
血液のpHは7.35〜7.45という狭い範囲に保たれる。これを守る仕組みは3層ある。第1に緩衝系(重炭酸系・リン酸系・蛋白質系・ヘモグロビン)が即座に働く。第2に肺が数分から数時間で働き、換気量を変えて二酸化炭素の排出量を調節する。二酸化炭素は水と反応して炭酸となり水素イオンを出すので、二酸化炭素を多く吐けばpHは上がり、溜めれば下がる。第3に腎臓が数時間から数日かけて働き、水素イオンを尿へ捨て、重炭酸イオンを再吸収したり新たにつくったりする。肺は速いが調節できる幅が限られ、腎臓は遅いが根本的に調節できる。 【接地元】ガイトン生理学 酸塩基平衡の調節、人体の構造と機能 第5版 体液
選択肢ごとの確認
胃液は塩酸を分泌するので局所的には酸をつくるが、血液のpHを調節する器官ではない。ただし長く嘔吐が続くと胃酸が失われて代謝性アルカローシスになる、という形では関係する。
換気量を変えて二酸化炭素の排出を調節する。呼吸性の調節。
血液を送るポンプであり、pHの調節はしない。
水素イオンの排泄と重炭酸イオンの再吸収・生成によって調節する。代謝性の調節。
重炭酸イオンを多く含む膵液を十二指腸へ分泌して胃酸を中和するが、これは消化管内での話で、血液のpH調節ではない。
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混同しやすいポイント
膵液に重炭酸イオンが含まれることを知っていると膵臓を選びたくなる。しかしそれは消化管の中を中和しているのであって、血液のpHを動かしているわけではない。「どこのpHか」を確認する。
理解を深める
酸塩基平衡の異常は4つに分類される。呼吸性アシドーシス(換気不足で二酸化炭素が溜まる。COPD・呼吸抑制)、呼吸性アルカローシス(過換気で二酸化炭素が減る。過換気症候群)、代謝性アシドーシス(酸の蓄積か重炭酸の喪失。糖尿病性ケトアシドーシス・腎不全・下痢)、代謝性アルカローシス(酸の喪失か重炭酸の増加。嘔吐・利尿薬)。それぞれに対して、もう一方の臓器が代償する。第112回午前 問27の過換気、第114回午後 問26の重炭酸イオンはいずれもこの枠組みで解ける。
間違えやすい考え方
「酸に関係する臓器」を広く並べて、血液のpH調節に絞れるかを試す型。設問の主語(血液のpH)を確認する。
5分で振り返る
血液pHは7.35〜7.45。守る仕組みは①緩衝系(即座)②肺(数分〜数時間・二酸化炭素の排出)③腎臓(数時間〜数日・水素イオンの排泄と重炭酸イオンの再吸収)の3層。異常は呼吸性アシドーシス/呼吸性アルカローシス/代謝性アシドーシス/代謝性アルカローシスの4つで、それぞれ他方の臓器が代償する。
1分チェック
- 血液のpHの正常範囲はいくらか
- pHを調節する2つの臓器は何か
- 肺と腎臓では働く速さがどう違うか
- 酸塩基平衡の異常4分類を言えるか
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