身体的フレイルの評価基準はどれか。2つ選べ。
公式正答:2・4
解説
身体的フレイルの評価基準を2つ問う。体重減少と歩行速度の低下である。
この問題で問われていること
フレイルの評価の5項目を覚えているか。
しくみから理解する
身体的フレイルの評価には、日本版CHS基準(J-CHS2020)による①体重減少(意図しない6か月で2〜3kg以上の減少。年間4.5kg以上または5%以上とするのはFriedの原基準の値で、観測する期間が異なる)、②主観的な疲労感(わけもなく疲れた感じがする)、③活動量の低下(軽い運動と定期的な運動をしていない)、④歩行速度の低下(およそ1.0m/秒未満)、⑤握力の低下(男性28kg未満、女性18kg未満)、の5項目が用いられる。3項目以上に該当すればフレイル、1〜2項目でプレフレイル(前段階)と判定する。
選択肢ごとの確認
視力低下は、この5項目に含まれない。ただし、視力の低下は、転倒、活動の減少、そして社会参加の減少を通じて、フレイルの要因にはなる。
聴力低下も5項目に含まれない。同様に、コミュニケーションの困難と社会的な孤立を通じて、フレイルと認知症の危険因子になる。
腸蠕動運動の低下も含まれない。便秘の要因ではあるが、フレイルの評価項目ではない。
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混同しやすいポイント
5項目を「たいじゅう、ひろう、かつどう、あるく、にぎる」と覚える。誤肢は、いずれも加齢に伴う変化ではあるが、この評価基準には含まれないものになる。加えて、フレイルは身体だけでなく、①精神・心理的フレイル(抑うつ、認知機能の低下、意欲の低下)、②社会的フレイル(独居、経済的困窮、社会との交流の減少、閉じこもり)を含む多面的な概念である点も押さえる。
理解を深める
フレイルを整理する。定義=加齢に伴い、心身の予備能力が低下し、ストレスに対して脆弱になった状態。要介護の前段階にあたるが、適切な介入により改善しうる(可逆性)点が要点になる。この可逆性が、フレイルという概念の最も重要な意義になる。悪循環=低栄養→筋量と筋力の低下(サルコペニア)→活動量の低下→エネルギー消費の減少→食欲の低下→さらなる低栄養、という循環が形成される。加えて、疾患、薬剤、社会的孤立、そして経済的困窮が重なる。サルコペニア=加齢に伴う筋量と筋力の低下。診断は、①筋力(握力)、②身体機能(歩行速度、椅子立ち上がりテスト)、③筋量(生体電気インピーダンス法など)による。ロコモティブシンドローム=運動器の障害により、移動の機能が低下した状態。骨、関節、筋、神経の問題を含む。評価=簡易な評価として、①基本チェックリスト(25項目。運動、栄養、口腔、閉じこもり、認知、うつ)、②イレブンチェック、③指輪っかテスト(ふくらはぎを親指と人差し指で囲み、隙間ができればサルコペニアの危険が高い)。介入=①栄養(十分なエネルギーとタンパク質。高齢者では体重1kgあたり1.0〜1.2g以上のタンパク質が推奨される。ビタミンD)、②運動(レジスタンス運動=筋に負荷をかける運動が中核。加えて有酸素運動、バランス、柔軟性)、③口腔機能(オーラルフレイル=噛む力、飲み込む力、そして滑舌の低下。歯科との連携)、④社会参加(人と会う、役割を持つ、外へ出る)、⑤疾患の管理と薬剤の見直し(多剤併用)、⑥経済的な支援。これらを組み合わせて行う。看護=①早期に気づく(体重の変化、歩く速さ、外出の頻度、食事の内容、そして「最近どうですか」という問いかけ)、②本人が自分の状態を理解できるよう伝える、③実行できる目標を一緒に立てる、④継続を支える(一人ではなく、仲間と、そして楽しみとして)、⑤地域の資源へつなぐ。
間違えやすい考え方
評価項目を問う型で、誤肢が加齢の変化だが基準に含まれないものである。5項目を挙げて切る。
5分で振り返る
①身体的フレイルの5項目(日本版CHS基準〈J-CHS2020〉)=体重減少(6か月で2〜3kg以上。年間4.5kg以上または5%以上はFriedの原基準の値で、観測する期間が異なる)、主観的な疲労感、活動量の低下、歩行速度の低下(約1.0m/秒未満)、握力の低下(男性28kg未満、女性18kg未満)。②3項目以上でフレイル、1〜2項目でプレフレイル。③視力低下、聴力低下、腸蠕動の低下は、この基準には含まれない(ただしフレイルの要因にはなる)。④フレイルは、身体だけでなく、精神・心理的フレイル(抑うつ、認知機能の低下)と社会的フレイル(独居、孤立、閉じこもり)を含む。⑤適切な介入により改善しうる(可逆性)点が最も重要。⑥悪循環=低栄養→筋量と筋力の低下→活動量の低下→食欲の低下→低栄養。⑦介入=栄養(体重1kgあたり1.0〜1.2g以上のタンパク質)、運動(レジスタンス運動が中核)、口腔機能、社会参加、薬剤の見直し。
1分チェック
- 身体的フレイルの5項目は。→ 体重減少、疲労感、活動量の低下、歩行速度の低下、握力の低下。
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